【K-1】新王者・与座優貴誕生! 二人の因縁は続く…王者陥落の朝久泰央は「嫌いだから握手はできない」

K-1 WORLD GP 2023 ~K’FESTA.6~(2023年3月12日、東京・国立代々木競技場 第一体育館)において、K-1 WORLD GPライト級タイトルマッチが行われた。現王者は朝久泰央(朝久道場)、挑戦者は与座優貴(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)だ。因縁マッチは与座に軍配が上がり、第6代K-1 WORLD GPライト級王者に輝いた。

第6代K-1 WORLD GPライト級王者に輝いた与座優貴【写真:山口比佐夫】
第6代K-1 WORLD GPライト級王者に輝いた与座優貴【写真:山口比佐夫】

朝久「結果的に口だけの情けない野郎になってしまった」

 K-1 WORLD GP 2023 ~K’FESTA.6~(2023年3月12日、東京・国立代々木競技場 第一体育館)において、K-1 WORLD GPライト級タイトルマッチが行われた。現王者は朝久泰央(朝久道場)、挑戦者は与座優貴(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)だ。因縁マッチは与座に軍配が上がり、第6代K-1 WORLD GPライト級王者に輝いた。

 2人の因縁は昨年2月までさかのぼる。K-1ライト級王者の朝久は、K-1にデビューして間もない与座に判定負け。その試合後のインタビューで朝久は、負けについてこう語った。

「プライベートでいろいろありまして……」

 この発言には「プライベートを言い訳にするのか」とファンも疑問を持った。戦った与座自身も当然、違和感を覚えたことだろう。さら朝久は怪我で1年間欠場。勝利したにもかかわらずタイトルマッチに挑戦できない与座のフラストレーションは溜まっていた。

 そして、今年1月に行われた今大会の決定カード発表記者会見で与座が挑発した。朝久に対し、「プライベートを充実させてきてください」と発言。これまで優等生の空手少年というイメージがあった朝久だが、「殺すぞクソガキが」と朝久らしからぬ口調で対抗した。

 試合前日の計量時も向き合った際に約30秒間の睨み合いが続いた。笑いを浮かべながら背中を向けた与座に対し朝久は、次のように語っている。

「対戦相手と向き合ったときに心の目で相手を見ている。最後まで目を逸らさなかったほうが勝つということは確信している。彼が目を逸らしたのでこの勝負は勝ったという確信に変わった」

 力みが見える朝久に対し与座はどっしりと構える。双方とも作戦「絶対に下がらない」があるのだろう、お互いに押し合ってはローを蹴り合う。素人目に見ても威力は与座のほうが上だ。ローが効いてきたのか、朝久は与座を押し返す力も落ちてきた。朝久はミドルキックを蹴るも脚が上がらない。パンチにも力が入らない。試合終了のゴングが鳴ると朝久は両手を上げて勝利をアピールしたが、3-0のフルマークで与座が勝利した。

 試合後のインタビューで朝久は自身のチャンピオンベルトが奪われたことについて、笑顔でこう答えた。

「結果的に口だけの情けない野郎になってしまって、自分自身が情けないですね。本人にも伝えたけど、自分は相変わらずクズだと思っています。でも彼のおかげで、人生で一番濃い1年だったので、愛しこそしないですけど、感謝すべきクズですね。クズだと思っています」

 また、試合前の練習で怪我をしており、思うように攻撃が出せなかったともいう。

「2ラウンドまでには倒せるつもりでいたし、そのつもりで練習していたんですけど、手の骨が粉々になっちゃって。2、3ラウンドで痛み止めが切れたというか。何を言ったって結果は結果ですから。情けないです本当に」(朝久)

 一方の与座は少々複雑な表情を見せた。

「勝ったんですけど、自分の中では完勝というイメージはなかった。すぐにではないですけど、タイミングが合えばもう1回やるライバルというか選手かなとは思っている。(朝久から)『嫌いだから握手はできない』と言われました。それも踏まえて3回目やるのかな、いつか」(与座)

 1年越しの因縁マッチとなったが、因縁の決着はまだついていないようだ。

次のページへ (2/2) 【写真】勝利後、涙交じりに思いを語った与座優貴
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