「強い言葉を使う選手は弱く見える」 K-1王者・金子晃大の“強者の流儀”、リベンジしたい相手とは
「戦いたいのは鈴木真彦選手です。それはもう公言もしていますし、自分は目の前のことしか考えられないタイプなので」
強豪タイ人を挑戦者に迎え初防衛戦
「戦いたいのは鈴木真彦選手です。それはもう公言もしていますし、自分は目の前のことしか考えられないタイプなので」
12日に東京・国立代々木競技場 第一体育館で開催される「K-1 WORLD GP 2023 ~K’FESTA.6~」において、スーパーバンタム級(55キロ以下)王者の金子晃大(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)がコンペット・シットサラワットスア(Sitsarawatser Gym)を相手に初防衛戦を迎える。「もしコンペットに勝利したら、K-1にもう相手はいないのではないか」と金子に問うと、冒頭の答えが返ってきた。
コンペットはムエタイ界では名実ともに評価の高い選手であるが、日本のファンにとっては少し説明が必要かもしれない。コンペットは2022年9月、金子と1勝1敗の玖村将史と対戦し、判定で勝利を挙げた。その玖村がK-1スーパー・バンタム級王者のベルトを狙って金子との再戦を望んでいる形だが、金子の興味はそれよりも鈴木真彦に向いている。
金子は昨年6月の「THE MATCH 2022」において、RISEバンタム級(-55㎏)王者の鈴木真彦との試合に敗れている。長らく交わることのなかった「K-1」と「RISE」は、昨年6月を機に今大会でも対抗戦を行う。ファンも金子と鈴木の再戦を望んでいるが、より早く実現するには「玖村に勝ったコンペット」を倒す必要がある。
「前回の対戦もタイ人だったので、苦手意識はない。ムエタイのリズムにつられる心配もない」と話す金子だが、やはりコンペットの蹴りには警戒している。
――コンペットの蹴りはどう見ているでしょうか。
「前回の試合でタイ人の蹴りをはじめて受けましたが、ガードの上からでもこれをもらい続けていたらヤバいとは思いました。ただ、腕が折れるようなことはないと思っていますし、コンペット対策の課題はすでにクリアできています。口で説明するより、試合を見えもらえればと」
――逆にコンペット選手の「ここ」を壊してやろうという気持ちはあるでしょうか。
「それはないです(笑)。壊す前に倒します。相手にけがをさせるというよりも、意識を途絶えさせる方向でいきたいと思います。だって、かわいそうじゃないですか。だから壊してやろうとは思っていないです」
――そういった強気な発言をする選手もいますよね。
「強い言葉を使う選手は弱く見えるんです。そういう考えが俺の中にはあるんですよね」
「強い言葉を使う選手は弱く見える」。ニコニコした表情でそう金子は答えたが、その笑顔に彼なりの強者の流儀が垣間見える。「玖村に勝ったコンペット」の意識を途絶えさせ、鈴木真彦とのリベンジに繋げられるか。