災害への備えは万全? 避難経路、避難のタイミングを事前設定できるアプリで逃げ遅れを防げ

東日本大震災から12年、災害への備えは万全だろうか。この機に自宅や職場、通学先周辺の災害リスクを確認し、地震などが起きたときの行動を再確認してみてはどうだろう。ポータルサイト「Yahoo! JAPAN」では、事前にかんたんな情報入力でユーザーに合った防災行動を確認、防災行動を“自分ごと化”して逃げ遅れを防ぐことができるサービス「防災タイムライン」を提供している。「Yahoo!天気・災害」のサービスマネージャーを務める田中真司さんに、事前のシミュレーションの大切さを聞いた。

「防災タイムライン」の画面イメージ
「防災タイムライン」の画面イメージ

避難とは何か 家族らと話し合う機会を

 東日本大震災から12年、災害への備えは万全だろうか。この機に自宅や職場、通学先周辺の災害リスクを確認し、地震などが起きたときの行動を再確認してみてはどうだろう。ポータルサイト「Yahoo! JAPAN」では、事前にかんたんな情報入力でユーザーに合った防災行動を確認、防災行動を“自分ごと化”して逃げ遅れを防ぐことができるサービス「防災タイムライン」を提供している。「Yahoo!天気・災害」のサービスマネージャーを務める田中真司さんに、事前のシミュレーションの大切さを聞いた。(取材・文=西村綾乃)

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 自宅や外出先で地震が発生したら、いつ、どんなタイミングで避難をすれば良いのか、避難先も含めて、想定できている人は多くない。Yahoo! JAPANは、2011年3月11日に発生した東日本大震災をきっかけに、「Yahoo!防災速報」をアプリを提供開始。省庁や自治体が発表した災害情報をユーザーに届けている。

「Yahoo!防災速報では、自治体が発信している最新情報をユーザーに届けています。しかし情報を届けても、避難行動に結びつかないという現実がありました。逃げ遅れを防ぐことはいまも解決できない課題としてとらえています」

 アプリ「Yahoo!防災速報」の中で展開している「防災タイムライン」は、知りたい場所の住所や建物の階数、自力で避難することが難しい同居者の有無など世帯構成を事前に登録して確認し、自ら避難所へ向かう必要があるタイミングを設定しておくことで、スマートフォンなどにプッシュ通知が届くサービスだ。

「気象情報で『大雨が近づいています』と知らせても、その危険度までは想像できないことが多い。これを可視化するために、Yahoo!防災速報アプリの中にある『災害マップ』で、ユーザーから寄せられたリアルな声を届けるようになりました」

 防災行動を開始する時期を事前に決めておくことは、命を守る避難行動を迷わず取れることにつながるという。

「避難行動に結びつけるためには、『警戒レベルがどの段階になったら避難する』など、自分がどのタイミングで動くかということを想定しておくことが大切です。災害時に、詳細な避難行動を指示されないと動けないという状況は助かる確率を下げてしまいます。子どもや高齢者を伴う場合は、動かずにあえて自宅で待機することを選択される方もいると思います。『避難』とは何かを定義しておくことも大切です」

 いつ起こるか分からない災害。自宅、職場、学校など家族がバラバラになっている可能性もある。

「全てに備えることはできませんが、災害が起きたときに初めて考えるのではなく、事前に話し合っておくことが大切です。家族が離れ離れになっているときに災害が起きたときは、どの避難所で集合するかなど、日ごろからお互いの行動について確認をしておくことが重要です」

 国土交通省によると、南海トラフ地震や首都直下地震など、巨大地震が30年以内に発生する確率は70%以上とされており、引き続き防災のための備えが必要だ。

「3月11日や、9月1日の防災の日などのタイミングで備蓄品を見直すなど、災害について自分の事として考える日を作ってほしいと思います。ラジオの電池が切れていたり、充電器がガラケー(正式名称はフィーチャーフォン。スマートフォンよりも一世代前の携帯電話)時代のものだったり、更新されていないこともあると思います。新しい避難所が出来ていたり、周囲の環境が変化していることもあるので、『防災タイムライン』などの機能も活用していただき、災害について考える日を作ることが逃げ遅れを防ぐことにつながると思います」

 現在Yahoo! JAPANでは、LINEと共同開発した「スマホ避難シミュレーション」を公開中。首都直下地震や南海トラフ地震規模の巨大地震を想定し、発災時に活用できるYahoo! JAPANと、LINEの各種防災機能を使いながら、避難行動についてクイズ形式で確認することができる。

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