米NYで医療従事者らに捧げる儀礼飛行、かえって人々が密集の事態に…問われる「社会的距離」

米ニューヨークで28日、米海軍の「ブルーエンジェルス」と米空軍の「サンダーバーズ」が、新型コロナウイルスと闘う医療従事者らに捧げる儀礼飛行を実施した。この飛行を見ようと、ニューヨークやニュージャージーの公園などに多くの人々が密集し、ジェット機を見上げる光景も。結果的に、コロナ感染の防止に求められているソーシャルディスタンス(社会的距離)が無視される事態が起こった。地元紙「ニューヨーク・ポスト」が報じた。

ニューヨークで行われた儀礼飛行【写真:Getty Images】
ニューヨークで行われた儀礼飛行【写真:Getty Images】

ニューヨークで米軍による医療従事者らに捧げる儀礼飛行が実施

 米ニューヨークで28日、米海軍の「ブルーエンジェルス」と米空軍の「サンダーバーズ」が、新型コロナウイルスと闘う医療従事者らに捧げる儀礼飛行を実施した。この飛行を見ようと、ニューヨークやニュージャージーの公園などに多くの人々が密集し、ジェット機を見上げる光景も。結果的に、コロナ感染の防止に求められているソーシャルディスタンス(社会的距離)が無視される事態が起こった。地元紙「ニューヨーク・ポスト」が報じた。

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 今回はコロナと最前線で闘う人たちをサポートするための社会的活動だけに、行政側の対応には難しい部分がある。ニュージャージー州ウィーホーケンのリチャード・ターナー市長は「難しい状況です。できる限りのことはしていますが、住民の良識にも頼らなければなりません。これ以上できることはあまりありません」と話す。実際にターナー市長は一部の道路を閉鎖し、住民に警告も発信し、警察にマスク500枚を配布させたが、こうした対策は住民たちがウォーターフロントに集まることを止められなかった。

 そもそもの儀礼飛行の実施についてターナー市長はどう考えるのか。「とても素晴らしいことですが、多くの人が集まることには、可能な限り対策を講じなければなりません」との見解を示した。

 同様に群集の光景が見られたニューヨーク市。ソーシャルディスタンスのルールを無視して多くの人が集まり、儀礼飛行を見ていた。約500人が集まったロングアイランドシティのガントリープラザ州立公園にたアーサー・モスさんは「心配していません。外にいれば、マスクは必要ありません」と、気にしない様子だ。

 ニューヨーク州の感染状況は深刻に陥っており、クオモ知事は、外出をする際に他人との距離を保つことが難しい場合は、マスクを着用しなければならないことを求めている。

 マーガレット・アンさんは「(ソーシャルディスタンスを)試みましたが、桟橋の幅は歩道のように10フィート(約3メートル)です。これほど多くの人が集まったら、どうしようもありません」と嘆いた。

 コロナ感染問題が長期化する中で、ソーシャルディスタンスをめぐる痛しかゆしの状況は続きそうだ。

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