米国でDV被害報告が逆に“減少”…加害者が家にいて被害者が連絡できない状況か
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、多くの州で外出禁止令が出ている米国で、ある懸念が浮上している。巣ごもり生活が続く中、家庭内のドメスティックバイオレンス(DV)を報告する件数が増えると見られていたが、逆に“減少”しているというのだ。被害者が連絡できない状況に陥っているのではないか、と米テレビ局「ABC」(電子版)は報じている。
新型コロナ感染拡大により多くの州で外出禁止令
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、多くの州で外出禁止令が出ている米国で、ある懸念が浮上している。巣ごもり生活が続く中、家庭内のドメスティックバイオレンス(DV)を報告する件数が増えると見られていたが、逆に“減少”しているというのだ。被害者が連絡できない状況に陥っているのではないか、と米テレビ局「ABC」(電子版)は報じている。
ロサンゼルス(LA)警察のマイケル・ムーア氏は「1日のDV被害報告が10件ほど減少しています。我々が当初予想していたのとは異なります」と説明。LA警察のデータによると、LAでのDV被害報告は3月19日~4月15日に昨年同時期比18%減となったという。サンフランシスコでも、報告件数は減少している。
警察当局では、DV被害は増加しているが、加害者が家にいるため、被害者が連絡できない状況にあるのではないかと考えているという。LA市法務官マイク・フュアー氏は「DV被害件数の大きな減少を大変、懸念しています」とコメントしている。
LA郡は怖くて助けを求められない被害者を助けるための取り組み「ビハインド・クローズド・ドアーズ」を実施中。宅配ドライバーや郵便配達員など対し、DV被害の兆候が見られた場合、警察に連絡することを求めている。
また、LAのエリック・ガーセッティ市長は今月、外出禁止令が発令されている間、DV被害者をホテルに滞在させるプログラムを発表している。