新型コロナ禍でのフェイクニュース拡散原因は「有名人」 豪大学の研究チームが調査
新型コロナ禍で様々な情報が錯綜する中、情報の真偽を見極めることが重要になっている。そんな中、豪州の研究者がネット上に溢れる“フェイクニュース”が拡散されてしまうのは何故か、との調査を行った。
フェイクニュース拡散防止には投稿する前に調べて考えることが重要と説明
新型コロナ禍で様々な情報が錯綜する中、情報の真偽を見極めることが重要になっている。そんな中、豪州の研究者がネット上に溢れる“フェイクニュース”が拡散されてしまうのは何故か、との調査を行った。
インターネットの目立たないところで取り上げられている「陰謀説」がどのようにトップニュースとなり、拡散されてしまうのか――。豪州にあるクイーンズランド工科大学のデジタルメディア・リサーチセンターの研究者たちがこの問題を調査と豪紙「ブリスベン・タイムズ」が伝えている。
同大学のアクセル・ブランズ教授はフェイクニュース拡散の火付け役となるのは「黙るべき時やキーボードから指を離す時が分からない有名人だ」と指摘。「こうしたことを数百人しかフォロワーのいない陰謀説に関するアカウントから投稿することとは異なり、ツイッターやFacebookに何百万人のフォロワーがいる有名人が発信すると、それがたとえ少し言及するだけであっても、ずっとずっと多くの人たちに届きます。彼らはスーパー拡散者です。こうした人たちが物事を本当に拡散させているのです」と有名人による拡散が原因であると説いた。
ブランズ教授の研究チームは、「5Gが新型コロナウイルスの感染拡大に関係している」との誤った説が主流メディアで報道され、英国で電波塔が放火されるまでに至ってしまった事例を調査。
調査データによると、アメリカ人俳優のウディ・ハレルソンがその説に賛成した後、アメリカ人ラッパーのウィズ・カリファが約4000万人のフォロワーがいる自身のFacebookにそれについて話した動画を投稿した。その後、急拡散されるに至ったという。
「こうした有名人や政治家たちに知らないことについて共有や発信させないようにすることは大変難しいかもしれませんが、さらなる拡散を止めるためには本当に重要なことです」
ブランズ教授はこのように語り、最も効果的な対処法は、投稿する前に調べて考えるように各ユーザーを説得することだと語った。