ギャル芸人・エルフ荒川を救った蛙亭・イワクラの一言 「当時の私は視野が狭かった」
――今ではギャル芸人として大ブレークを果たしていますが、高校を卒業後、NSCに入学してから憧れのギャルデビューされたそうですね。
「実は、NSCに入りたてのころは『ギャルになったらダメだ』『ギャルを抑えなきゃ』と思っていたんです。大阪の芸人として、ギャルな自分を出したらダメなんじゃないかって。そのときはなにもかもがうまくいかなくて、すごく苦しかったです。若手芸人は劇場に出るためのバトルライブにもたくさん出ないといけないし、とにかく目の前のことに必死でした。ネイルもここまで長くなかったし、メークも控えめ。大好きなピンクの服も着れなくて、すごく悩んで、なにもわからなくなっていました。
蛙亭のイワクラさんに『そのままがおもしろいよ』と言っていただいたりもしたのに、当時の私は視野が狭かったんですよね。でも、ある日『自分を抑えて全然違うことを言っているのって意味がわからないな』ってふと思って。そのころ出ていたライブは、出ている芸人全員の芸歴がわかるくらい身近な人たちしか周りにいなかったんです。そんな中で一度、私たちのことを誰も知らない環境でライブに出ることになって、『本当に考えていることを言ってみよう』と自分らしさを出したらウケたんです! その瞬間、ギャルの神が現れた気がします。それまで全くウケなかったネタもちょっとずつウケるようになったし、ネタも書きやすくなって。
それと同じくらいの時期に、ゲストハウスで朝清掃する住み込みのバイトをしていたんですよ。『外国語をしゃべれるようになりたい!』ってノリで始めたんですけど、すごく楽しくて。それまでは飲みに行って、昼に起きて……という生活を送っていたのが、朝型に変わった。朝起きて、太陽浴びて、セロトニン爆発、みたいな(笑)
スベって帰ってきても、外国の人たちってお笑いのことわからないから、『おかえり! トランプしよ!』とか言われるんですよ(笑) ホンマに最高じゃないですか? スベるとか知らんしって感じ。みんなでトランプやって、スベったことは寝て忘れて、朝起きて掃除して、ネタ考えて……。そのおかげで人生変わりました。すごく感謝しています!」
――荒川さんが「ギャルになってよかった!」と感じる瞬間はどんなときですか。
「いやもう、それしかない。ギャルっていうのはみんなに宿っているものなので。それを私が先頭で旗持ってやらせてもらってるんで。派手なことが好きで、自分が好きなかわいいネイルをして漫才できているのもうれしいですし、マジで『毎日アゲ!』『毎日ギャル!』ってこと。それを詰め込んだ日めくりカレンダー『まいにち、GAL!』をぜひ読んでほしいです!」
□荒川(あらかわ)1996年8月30日、大阪府和泉市出身。2016年に相方・はるとお笑いコンビ「エルフ」を結成。ボケ・ネタ作り担当。22年、活動拠点を大阪から東京に移し、女芸人No.1決定戦『THE W』で初の決勝進出を果たした。中学時代からギャルに憧れていたが、高校では校則が厳しかったため、NSC入学後に髪を金色に染めてギャルデビュー。あらゆる芸人をメークでギャルに変身させるのが好き。SNSにてギャルネタを上げ、幅広い層に支持されている。血液型A。