結成15年トリオ・や団、キングオブコント3位で人生変わった? 家賃やバイト事情を告白

『キングオブコント2022』で初の決勝進出で3位となったトリオ芸人・や団が初のDVD『ベストのや団』(発売元:Contents League)を発売した。昨年12月1日に東京・角筈区民ホールで開催したベストネタライブを収録したもの。や団の3人がキングオブコントの“前”と“後”の変化を語った。

初のDVDを発売したや団の(左から)ロングサイズ伊藤、本間キッド、中嶋享【写真:ENCOUNT編集部】
初のDVDを発売したや団の(左から)ロングサイズ伊藤、本間キッド、中嶋享【写真:ENCOUNT編集部】

や団が初のDVD『ベストのや団』を発売

『キングオブコント2022』で初の決勝進出で3位となったトリオ芸人・や団が初のDVD『ベストのや団』(発売元:Contents League)を発売した。昨年12月1日に東京・角筈区民ホールで開催したベストネタライブを収録したもの。や団の3人がキングオブコントの“前”と“後”の変化を語った。(取材・文=平辻哲也)

 同公演は結成15年を迎えたや団の総決算的な内容だ。DVDでは『キングオブコント2022』で披露した「バーベキュー」「雨」を含むベストネタ8ネタのほか、幕間映像「本間キッドの新居改造計画」、特典映像としてバイきんぐの西村瑞樹が作・参加のユニットコント、や団による全編の副音声コメンタリーも収録。奇抜な設定、クレイジーな展開に笑いが止まらない。

 スタートから15年間、挑み続けたキングオブコント。昨年は初のファイナリストとなり、3位に入ったが、その前後でどんな変化があったのか。

 ネタ担当の本間キッドは「仕事量が変わりましたね。メディアの仕事は1年に1、2本あればいい方だったんですけども、決勝後の1週間で14年分をこなしました。個人的にも引っ越しまして、築60年の木造ボロアパートの1階から築40年の木造アパート2階にステップアップ。家賃も5万から5万8000円になりましたよ(笑)」。

 リーダーでラーメン食べ歩き歴20年の中嶋享は「『行列のできる相談所』『ラヴィット!』『ラーメンWalker』でラーメンのお仕事をいただいたのがすごくうれしかったですね。ラーメン屋のバイトは今も続けていて、週1、2回ローテに入っています。まかないが食べたいんですよ」。ラーメンは年600食を食べているそうで、山形に滞在したときは1泊2日で14杯食べたというから、かなりのラーメン狂だ。ちなみに、今、個人的に最も熱いラーメン店は埼玉・高坂駅(東武鉄道)から徒歩60分(実際に歩いた)の「中華そば 深緑」という。

 ボケ・演技担当のロングサイズ伊藤は「ちょっとした水商売のバイトをやっていたんですが、毎日はやらなくてよくなりました。水道メーターの検針なんですけど……。こないだはファンレターももらって、よく聞いたら、『ハリウッドザコシショウさんに渡してください』って(笑)」とボケをかます。

 公演はキングオブコントでの実績を引っさげてのベストライブで、チケットは完売になった。

「ご褒美感もあって、お客さんもめちゃくちゃ温かくて、ベストパフォーマンスができた。15年の集大成。自信あります」(本間)、「一緒に暮らしている母親に、1度もお笑いやっていることを言っていなかったけど、とうとう母親も気づいた。『今度、“でーぶいでー”出るんだって』と言われました」(中嶋)、「公演に出てくれたバイきんぐの西村さんと打ち上げに行ったのが思い出。朝までカラオケしたんだけど、西村さんはちょいちょい電話で席を外すので、半分くらいの時間を3人で肩を寄せながら歌っていたけど」(伊藤)。

 や団は結成15年も、本間と中嶋は小6からの塾仲間。トリオ名はそのときに作っていたバスケットボールチームに由来している。大人になっても、「そのときの思いをもう一度」と同じ名前を名乗った。正しい発音は「ジャパン」と同じアクセント。ネタ作りは本間で、「こんなヤツがいたら、イヤだな」と思う設定から話を考えるそうで、ネタ完成後は池袋の有名コーヒーチェーン店で打ち合わせし、その後は近くの公園でネタ合わせをしている。

 それにしても、挑戦歴15年というのは不屈の精神だ。

 本間は「僕らはコント師。ボクサーが世界チャンピオンを目指すようにキングオブコントのチャンピオンを目指すのは当たり前。今回はベスト1、2のネタで挑んだので、悔しさもありますが、またちょっと頑張って考えます。人間はほめられると、リミッターが外れて、脳が活性化されると聞いたので、本間軍団の飲み会を開いて、ほめてもらって、気分を上げていきたい。僕らは15年間地下に潜っていたので、地上で活躍したいんです!」と力を込める。

 ボケと演技の担当の2人は個人的な野望を口にする。「全国ツアーして、その土地土地のラーメン食べたい。後はラーメンYouTubeも始めたので、力を入れたい。個人のチャンネルは登録者600人という少数精鋭なので(笑)」(中嶋)。伊藤は「スタジオだと萎縮しちゃうので、ロケをやってみたい。水道メーター検針をやっているので、外は慣れているんで」とアピール。23年もキングを目指してチャレンジを続けていく。

□や団(やだん)2007年結成。
○ロングサイズ伊藤(ろんぐさいず・いとう/伊藤和希=いとう・かずき。1981年3月22日、神奈川県出身。血液型A型。東京実業高校卒業。183センチ、74キロ。趣味・スポーツ全般、特技・ハーモニカ吹き。
○本間キッド(ほんま・きっど/本間徹哉=ほんま・てつや)1982年12月23日、埼玉県富士見市出身。血液型AB型。日本大学卒業。168センチ、60キロ。趣味・プロレス、格闘技観戦、Tシャツ収集。特技・柔道弐段、ブラジリアン柔術、グラップリング。
○中嶋享(なかしま・とおる)1982年6月23日、埼玉県三芳町出身。A型。日本大学卒業。171センチ、60キロ。趣味・ラーメン屋巡り歴18年(2019年614杯)、特技・バスケットボール(高校時代東京都優勝)。

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