令和の魔性ヒロイン、鶴嶋乃愛は昭和好き? 憧れは加賀まりこ、好きな歌手は松田聖子
最終回に向け、盛り上がりを見せるMBS系連続ドラマ『あなたは私におとされたい』(木曜深夜0時59分~)で村井良大(34)とともにW主演を果たしたモデル・俳優の鶴嶋乃愛(21)。同ドラマは人気コミック(作画:梅涼/原作:宮口ジュン)を原作に、“ゼッタイに不倫しない男”と“ゼッタイに不倫させる女”の駆け引きを描く不倫サスペンス。小悪魔的なヒロインを演じた鶴嶋の素顔とは?
『あなたは私におとされたい」で小悪魔的なヒロインを演じた鶴嶋の素顔
最終回に向け、盛り上がりを見せるMBS系連続ドラマ『あなたは私におとされたい』(木曜深夜0時59分~)で村井良大(34)とともにW主演を果たしたモデル・俳優の鶴嶋乃愛(21)。同ドラマは人気コミック(作画:梅涼/原作:宮口ジュン)を原作に、“ゼッタイに不倫しない男”と“ゼッタイに不倫させる女”の駆け引きを描く不倫サスペンス。小悪魔的なヒロインを演じた鶴嶋の素顔とは?(取材・文=平辻哲也)
鶴嶋は高知県在住だった小5の時からモデルとして活躍し、2019年に『仮面ライダーゼロワン』でヒロイン・イズ役で注目された新進女優だ。
「モデルを始めた頃から、女優さんのお仕事はずっとやりたいと思っていました。その頃は高知にいたので、娯楽がすごく少なかったのですが、映画館で映画を見たり、テレビドラマを見るのがすごい楽しみでした。私もいつかは物語の中に入りたいなっていう思いを常々思っていました」。21歳という若さだが、若者言葉ではなく、丁寧に話す。役を「お役」と表現するのもユニークだ。
連ドラ初の主演という大役は、社内結婚し、おしどり夫婦として有名な勤務の主人公・直也(村井)を、あの手この手で誘惑する立花ノア役。
「“お役”をいただいたこときはすごく素直にうれしかったです。こんなに魅力的な場所で小悪魔という魅力的な“お役”をぜひ私に、と言っていただけた。同時に、この座長という響きに緊張感を感じたり、いろんな感情が入り交じりましたが、しっかりと務めたいと思いました」
同じ名前のヒロイン役には魅力を感じたものの、共感できる部分がほとんどなかったという。「正反対のキャラクターなので、お役に入り込むのが今までで一番入り込みづらかったなと思っています。ノアちゃんはお話する相手によって、テンション感を変えているんですよ。そこがすごく愛される秘けつかもしれません。それでも、人に褒めてもらいたいとか、かわいいと思ってもらいたいという気持ちは私と一緒。きっとノアちゃんは、自分が小悪魔だと全然思ってないとは思ってないと思うんですね」と話す。
そのヒロイン・ノアには鶴嶋自身も助けられたという。
「ノアちゃんって、『私のことをみんな好きになるでしょ』『あなたが言って欲しい言葉を言ってあげているし、あなたが気持ち良くなるような態度で接してあげているんだから、私のこと好きになって当たり前でしょう』っていうテンションなので、無敵なんですよね。私は元々すごく人見知りで、人に話しかけることも得意じゃなかったんですけど、ノアちゃんのテンションや攻めの姿勢には背中を押された気がします」
撮影はハードスケジュールだったが、W主演の村井と乗り切った。
「時間が押している時でも、『大丈夫! 終わらない撮影はない』と言っていました。みんなで高め合っていくことができたので、ピリピリした空気感を感じたことがなく、すごく素敵な現場に巡り会えて、幸せでした。村井さんは最初クールなタイプかなと思ったんですが、私のおしゃべりにも付き合ってくれて、本当に優しかったです。重いシーンもたくさんあったんですが、カットがかかった後は2人で楽しい時間を作れたこともありがたかったです」と一回り年上の村井にも感謝する。
憧れの女優を聞くと、同年代ではなく、「加賀まりこ」の名前を挙げる。
「昭和の作品はすごく大好きで、よく見るんですけども、『月曜日のユカ』(1964年)の加賀まりこさんが一番好きな映画なんです。このドラマとも、ちょっと似ていますよね。ユカはちょっと小悪魔的で自由奔放。でも、根本に寂しさとか孤独を抱えていますから」。『月曜日のユカ』は、加賀が年上の男性を翻弄する小悪魔的なヒロインを演じた出世作だ。
それにしても、どうして昭和の映画にたどり着いたのか。
「コロナの自粛期間に、『時間の国のアリス』(1984年)という松田聖子さんの曲を聴いて、こんなに素敵な世界があるんだと思ったんです。そこから昭和歌謡、映画とハマっていったんです」と明かす。
プライベートの楽しみは、自然豊かな公園でティータイムを過ごすこと。「小さい頃から自然に囲まれて過ごしてきたので、自然が好きなんです。家でも常にお花を飾るようにしています。2023年は初主演のドラマでスタートを切れたので、今後もいろんな“お役”に出会えたら。モノクロの映画にも出てみたいですし、モデル業や服のデザイン、エッセーもお仕事もあるので、鶴嶋乃愛という表現者を知ってもらえる入り口をどんどん増やしていきたいですし、大きくしていきたいなという思っている所存でございます」。最後も丁寧な言葉使いで締めてくれた。
□鶴嶋乃愛(つるしま・のあ)2001年5月24日生まれ。高知県出身。2013年、第21回ピチモオーディションでグランプリを受賞し『ピチレモン』(学研プラス)専属モデルに。2019年9月、『仮面ライダーゼロワン』のヒロイン・イズ役で女優デビュー。ファッションブランド『Romansual(ロマンシュアル)』のプロデューサーとしても活躍している。