地下鉄社員が結成した「バイク隊」 首都直下地震に備え訓練継続 知られざる役割とは?

オフィス街からさっそうと現れたオフロードバイクに乗った「バイク隊」。まもなく10万再生に達しようとしている東京メトロ(東京地下鉄株式会社)のツイート動画が話題となっている。災害発生時に鉄道施設や地上部の情報を機動的に収集する役割を担っているという地下鉄を支える“知られざる部隊”について同社広報部に話を聞いた。

東京メトロのステッカーが貼られたバイク隊が使用するオフロードバイク【写真提供:東京地下鉄株式会社】
東京メトロのステッカーが貼られたバイク隊が使用するオフロードバイク【写真提供:東京地下鉄株式会社】

きっかけは東日本大震災

 オフィス街からさっそうと現れたオフロードバイクに乗った「バイク隊」。まもなく10万再生に達しようとしている東京メトロ(東京地下鉄株式会社)のツイート動画が話題となっている。災害発生時に鉄道施設や地上部の情報を機動的に収集する役割を担っているという地下鉄を支える“知られざる部隊”について同社広報部に話を聞いた。(取材・文=福嶋剛)

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――「バイク隊」が誕生したきっかけについて教えてください。

「2011年3月11日に起きた東日本大震災を受けて、今後、首都直下地震等の大きな災害が発生した場合の各種対策について継続的に検討を進めた中で、鉄道施設や地上部の被害状況等を機動的に情報収集し、対策本部で適切な対応ができるようにするため、翌12年12月に自動二輪車4台を本社に配備したことがきっかけです」

――現在のバイク隊の人数や構成について。

「バイク隊は弊社の安全・技術部(災害等に係る安全対策や防災に係る実施計画に関する業務等を行う部署)の長が、本社に勤務する普通自動二輪車の免許を所持する社員の中から『自動車運転士(自動二輪)』を指名します。地下鉄の運転手や車掌などの現場社員は対象外となります。現在、バイク隊として指名されている人数は27人で、全員男性社員になります」

訓練に向かうバイク隊【写真提供:東京地下鉄株式会社】
訓練に向かうバイク隊【写真提供:東京地下鉄株式会社】

毎月走行訓練を実施

――具体的な活動について教えてください。

「首都直下地震等の大きな災害が発生した場合、直ちに本社に対策本部を立ち上げて、本社社員が応援派遣部隊となり各駅に派遣されます。その際にバイク隊は、鉄道施設の被害状況の確認や本社社員を各駅へ派遣するための安全な歩行ルートを確認する役目を担っています」

――どのような訓練を実施しているのでしょう?

「災害出動時を想定して毎月1、2回程度、自動二輪車の機能保全のために走行訓練を行っています。また、毎年実施する本社社員派遣訓練や警察の協力による訓練も行っています」

――これまでの活動実績は?

「バイク隊は首都直下地震等の大きな災害が発生した際の部隊ですので、幸いにも出動実績はありません」

――活動するうえで大切にしていることは?

「お客様の安全を最優先に早期の運行再開に向けて、万が一のときに備えていつでも出動できる体制を整えています」

 トルコ南部で今月6日に発生した地震のニュースを受けて、あらためて防災への意識が高まる中、市民の安全を守る東京メトロも私たちの知らないところで日々活動を続けている。

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