「若い女性は正社員として雇用してません」 女性社長が炎上覚悟の投稿 中小企業の切実事情

「批判覚悟ですが、私は、寿退社や産休や育休をされると困るので、若い女性は正社員として雇用してません」。世の中全体が雇用の男女平等を推進する中、真逆をいくようなツイートが波紋を呼んでいる。投稿者は大阪で2つの会社を経営する弁理士の瀬戸麻希さん(@ensemble43530)。投稿は8日現在、約8500もの「いいね!」が集まる“予想外”の反響となっている。どのような意図で投稿したのか、真意を聞いた。

女性の雇用法が議論を呼んでいる(写真はイメージ)【写真:写真AC】
女性の雇用法が議論を呼んでいる(写真はイメージ)【写真:写真AC】

かつては「女性の社会進出を応援」もぶつかった壁 本音つづる

「批判覚悟ですが、私は、寿退社や産休や育休をされると困るので、若い女性は正社員として雇用してません」。世の中全体が雇用の男女平等を推進する中、真逆をいくようなツイートが波紋を呼んでいる。投稿者は大阪で2つの会社を経営する弁理士の瀬戸麻希さん(@ensemble43530)。投稿は8日現在、約8500もの「いいね!」が集まる“予想外”の反響となっている。どのような意図で投稿したのか、真意を聞いた。

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「批判覚悟ですが、私は、寿退社や産休や育休をされると困るので、若い女性は正社員として雇用してません
本音は雇ってあげたいし心苦しいのだけど、うちのような弱小企業では雇う余力がありません

こういうところに政府の助成金を出してほしいと思う」

 会社の置かれた現状を踏まえ、思いを正直につづった投稿には大きな反響が寄せられたが、その内容は意外なものだった。「めっちゃわかる。。」「これが中小企業の本音ですよね」「うちもそうです。もっと大きくなれば受け入れる余裕もできそうですが」「3年でようやく戦力になってきたかな、と思った矢先に現場から抜けられるのは大きな損失ですよね」「産休や育休を取られている人の分の仕事を他の社員でカバーしないといけませんので、社員側から見ましてもそう」と賛同の声が多かった。一方で、「私も批判覚悟ですが、御社はこれ以上成長しないのではと危惧します」「女性差別の発端はそういう発想」との苦言も一定数あった。

 瀬戸さんは、会社についてさらに補足した。

「大企業なら1人辞めても代わりはいくらでもいますが、うちのような弱小企業の場合、1人がいなくなると大打撃なんです

なので、結婚して辞めたり妊娠出産で長期で休む可能性の高い若い女性は、本当に申し訳ないのですがうちでは採用できなくて、、、今まで全部お断りしてます」と、付け加えた。

 男女雇用機会均等法は雇用において性別を理由に、差別をしてはならないと定めている。波紋を呼ぶことは必至の投稿。どのような意図を込めたのだろうか。

 経営する2社で従業員は約10人という瀬戸さんは、ENCOUNTの取材に「大企業みたいにキャッシュフローもないですし、常に人手が不足しています。大企業や公務員なら、誰か1人が寿退社したり、産休や育休を取得しても、代わりの人がたくさんいると思いますが、常に人手が不足している状況の従業員10人程度の会社で、産休や育休や寿退社などで1人でも抜けられると、代わりの人間もいないので、はっきり言って大きな痛手です」と説明した。

 繰り返したのは心苦しさだ。女性起業家の瀬戸さんはむしろ女性の社会進出に積極的な側だった。

「私も2歳児の双子の母親なので、女性の社会進出を応援したいと思い、20代30代の女性を雇ったことがありました。しかし、それまで一生懸命、その子に仕事を教えて育ててきたのに、結婚を機に退職されてしまったり、産休と育休を取得した後に退職された経験があります。また、ツイートの意図とは逸れてしまいますが、30代の女性を雇った際は、子どもの風邪などで仕事を欠勤するので、その女性が休んだ際、その女性の業務の穴埋めで他のスタッフへの負担増加が半端なかったです」

 価値観の多様化や生活の苦しさから共働きが増え、働きながらの子育てが当たり前になっている時代。子どもが幼ければ、急な発熱や体調不良で病院に通ったり、仕事中に保育園から呼び出されることも多い。それでも会社に雇う余力があればいいが、現状は非常に厳しいと訴える。穴を埋める代役がおらず、業務が回らない。雇用機会均等の考えには賛同しているが、背に腹は代えられないとの思いが背景にあった。

結婚かキャリアアップかで悩む人も(写真はイメージ)【写真:写真AC】
結婚かキャリアアップかで悩む人も(写真はイメージ)【写真:写真AC】

産休や育休制度は「大企業が前提」 中小企業には「即してない」

 日本で全体の約7割を占めるとされる中小企業は政府が求めている賃上げも、大企業との明暗は分かれている。複数の調査によると、「賃上げ実施予定」と回答したのは3割ほど。巨額の内部留保を蓄積する大企業に対し、体力のない中小企業は増やしたくても増やせない現状が浮き彫りになった。政策を推進すればするほど、加速する“二極化”が新たな課題となっている。

 瀬戸さんはツイートに共感する声が多いことについて、「炎上するかと思いましたが、意外と共感が多くて驚きました」と受け止めた。

 一方で、「産休や育休などの制度は、大企業が前提となっている制度で、中小企業には即してないと思います。来月の経営がどうなっているかも分からないような、キャッシュフローや人的資源のない中小企業でまともに女性に産休や育休を取らせたら、そのせいで会社の経営が傾く可能性もあると思います」との思いを吐露した。

 そして、「その声がたくさんの人に届いたのかな、と思います」と結んだ。

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