前澤友作氏の館山市「20億円寄付」をコロナ緊急経済対策にも活用へ 市「地域産業の保護」
千葉県館山市は23日、ZOZOの創業者・前澤友作氏から昨年に寄付を受けた20億円について、新たに「前澤友作館山応援基金」を設立して積み替え、市内の経済活動に大きな影響を与えている新型コロナウイルスの緊急経済対策に活用することを発表した。新基金の設立、補正予算については、28日に予定している市議会臨時議会を経て成立する見通し。
コロナ禍の地域経済を救え!! 館山市独自の緊急経済対策、2事業で3・6億円規模
千葉県館山市は23日、ZOZOの創業者・前澤友作氏から昨年に寄付を受けた20億円について、新たに「前澤友作館山応援基金」を設立して積み替え、市内の経済活動に大きな影響を与えている新型コロナウイルスの緊急経済対策に活用することを発表した。新基金の設立、補正予算については、28日に予定している市議会臨時議会を経て成立する見通し。
同市は、昨年に前澤氏から、ふるさと納税を通じて20億円の寄付を受け、「館山観光振興基金」として積み立てていた。今回、新たに「前澤友作館山応援基金」を設立し、全額を積み替える方針だ。同市によると、基金の設置目的は、館山市の観光振興に加え、「新型コロナウイルス感染症対策に係る地域産業を下支えする事業者の保護」とし、まずは総額3・6億円規模の緊急経済対策を実施。「全国の地方自治体がモデルケースとして活用できる市独自の取り組みとなることを目指す」としている。
館山市独自の緊急経済対策は2つだ。
1つ目は、「市制度融資の利子及び保証料の補給並びに返済元金助成事業」。新型コロナウイルスの影響を受け、1か月の売上高が前年同月と比較して5%以上減少している中小企業者等に対し、運転資金や設備投資のために事業者が受ける融資の利子及び保証料の全額給付並びに返済元金の10%の助成を実施するという内容だ。予算規模は、合計2億5880万円。
2つ目は、「中小企業等事業所家賃支援事業」。新型コロナウイルスの影響によって厳しい経営状況におかれている中小企業等を緊急的に救済するため、店舗や事務所等を賃借している中小企業等が、千葉県の中小企業等への支援金を受けた場合、市が10万円を上乗せ支援することで、中小企業等の固定経費の削減を図るというもの。予算規模は1億円。
申請期間などの詳細は別途発表するとしている。
同市の金丸謙一市長は、「館山市は昨年の台風災害もあり、観光業のみならず市内の経済活動は大きく停滞している中で、前澤氏の寄付があるからといって館山市だけが助かるのではなく、全国的なモデルケースとなる対策を実施したいと考えた。融資における返済元金への助成は調べた限り前例がなく、この取り組みの成果が出れば、国から地方創生臨時交付金が支給された時のモデルとなるのではないかと思っている。この寄付を改めて館山市を挙げて感謝するとともに、今後とも前澤氏と相談しながら館山市の観光振興、経済対策事業を考えていきたい」とコメントしている。