武藤敬司「今のままだと試合できない」 「2・21」引退試合直前に明かした思い「一番の敵はオレ自身」

2月21日に東京ドームにて引退試合(ABEMAでPPV配信)を控える武藤敬司に緊急事態が発生した。両足の肉離れによる激痛で「今のままだと試合ができない」と明かした。内藤哲也との一騎打ちを前に心境を語る、武藤敬司のインタビューをプロレスリング・ノア公式YouTubeチャンネルが公開している。

武藤敬司が引退試合直前に想いを語る
武藤敬司が引退試合直前に想いを語る

引退試合で内藤哲也と激突も…「プロレスの神様が最後の最後に試練を与えたな」

 2月21日に東京ドームにて引退試合(ABEMAでPPV配信)を控える武藤敬司に緊急事態が発生した。両足の肉離れによる激痛で「今のままだと試合ができない」と明かした。内藤哲也との一騎打ちを前に心境を語る、武藤敬司のインタビューをプロレスリング・ノア公式YouTubeチャンネルが公開している。

――引退試合の相手がついに正式決定しました。

「今ね、非常にピンチなんだよ。この間の試合で両脚痛めてしまってね。ハムストリングが肉離れを起こしちゃって。両脚今痛くてしょうがない。回復も遅くて、今のこの現状だと試合もできないよ、歩くのもままならない。プロレスの神様が最後の最後に試練を与えたなって感じ。元々膝は悪かったけど、ああいうのは慢性的な怪我でじわじわという痛み。筋肉の痛みっていうのは激痛だから歩けなくなっちゃう。今本当に困ってる。焦ってます。内藤とだったらムタvsSHINSUKEを超えられると思ったけど、今一番の敵はオレ自身。本当に今、闘ってますよ」

――内藤哲也選手を指名したのはムタvsSHINSUKEを超えたいということが第一にあった。

「それもありましたけど、元々彼から武藤敬司に対する愛情を感じていた。オカダなのか、棚橋なのか、内藤なのか、NOAHの誰かなのか、外タレなのか考えた。ファンの中では盛り上がってたけど……。ぶっちゃけ、ザ・ロックとか一応会社で聞いてみたらしいよ。でも莫大な金で追いつかない、数十億だよ!」

――武藤敬司引退試合にふさわしいような規模ではありますけどね。

「数十億は地球レベルだよ(笑)。オカダは天龍さんのイメージもある。棚橋は引退発表してから幾度と絡んでいるからさ。内藤だったらオレの直弟子でもないし、でも武藤LOVEも感じる。いい距離感でいい試合ができるんじゃないかということを思って名前上げさせてもらいました」

――2012年1月4日東京ドームでのシングルマッチから12年。

「あの時のオレをオマージュしたような時の内藤って人気なかったみたいで。俺のオマージュ外してから人気が出てきたって言ってその辺がちょっと気分悪いな、なんて。この間横浜アリーナで試合見て、なんとなく緩急の付け方とか俺に似たようなところもあったりするね。喋りなんかめちゃくちゃうまかったし。彼は24時間プロレスのことを考えているんじゃないかと思わされます」

――武藤敬司vs内藤哲也という引退試合について。

「マッチメイクの中で昔の思い出、高田延彦戦とか皆が覚えている昔の試合をもう一回やったらどうだっていう意見もたくさんあった。でも、今を生きたいんだよ。現役である以上。欲を言ったら最高の試合、最高のアートを作りたい。レスラーである以上そう思っているんだよな今でも。やっぱり今を生きたい。最後の最後『これぞベストバウト』と言われるような試合を本当はしたいよ。できるかどうかは分かんないけど。でもそれに向かって突き進むのが現役じゃない」

――内藤哲也もSHINSUKE NAKAMURAを超えたい、というプレッシャーを感じているのでしょうか。

「プレッシャー感じてほしいよ。でも、正直その内藤の期待に応えられるかも、今オレは本当に弱気なコメントしかできない。悔しいよ。でも最終的には飾ることもなく“地”でしか勝負できないから。這ってでもやらなきゃいけねぇんだろうな。ありのままを見せるしかないよ。所詮は散っていくんだから」

――プロレス界に残したいことは。

「内藤って1995年の武藤敬司vs高田延彦を見てプロレスラーになろうって決めたんだって。それでプロレスラーになって今の地位まで這い上がってきた。今度は内藤哲也vs武藤敬司を見て、内藤を見て今のちびっこや若者が『内藤みたいになりたい』って思ってくれたらそれでいいんじゃないかと思ってるよ」

――PPVで完全生中継することが決定したことについて

「今までは力道山の時代、馬場さん猪木さんの時代、俺だって『武藤全日本』って言われて全日本の社長やったりしたけど、その時って『猪木商店』『馬場商店』『武藤商店』で昔はやってたんだよ。でも今のNOAHって個の『商店』じゃないじゃん、仕組みが。めちゃくちゃ大手というか。既にペイパービューにできる機能持ってたりABEMAとかその道のプロがやったりして。今のプロレス界いいですよ。これがそろってるからNOAHで引退試合しようと思ったんだから。その道のプロが皆集まって総合で闘おうとする。それで世界に打って出ようという気持ちもありそうじゃない。今くらいにオレプロレスラーとして生まれたかったよ、40年早かった。今新弟子で入ってきたかったよ。今度は世界レベルの戦国時代だからね。いいね……本当に俺そこで闘いたかったな」

次のページへ (2/2) 【動画】引退直前の覚悟を明かしたインタビュー
1 2
あなたの“気になる”を教えてください