韓国でマスクは「毎週手に入る状況」、在庫知らせるアプリも登場…コロナ禍の生活は

新型コロナウイルスが世界中で猛威をふるう中で、各国に住む日本人も懸命に生活を送っている。韓国では、PCR検査でいち早く「ドライブスルー方式」を導入するなどの対策を講じ、新規感染者数は減少傾向となっている。ENCOUNT編集部では、韓国の首都・ソウルに在住で、PR会社や化粧品輸入代行業に従事する30代の男性に、韓国のコロナ対策や現状について聞いた。

韓国で行われているドライブスルー方式での検査の様子【写真:Getty Images】
韓国で行われているドライブスルー方式での検査の様子【写真:Getty Images】

ソウル在住・日本人男性に取材 感染者動向の情報公開にも注目「警戒心はより強まった」

 新型コロナウイルスが世界中で猛威をふるう中で、各国に住む日本人も懸命に生活を送っている。韓国では、PCR検査でいち早く「ドライブスルー方式」を導入するなどの対策を講じ、新規感染者数は減少傾向となっている。ENCOUNT編集部では、韓国の首都・ソウルに在住で、PR会社や化粧品輸入代行業に従事する30代の男性に、韓国のコロナ対策や現状について聞いた。

 男性は4年ほどソウルに住んでおり、異国の地でコロナ禍に見舞われた。今年1月下旬に感染者が確認されてから、韓国政府による外出自粛が呼びかけられ、2月上旬にはデパートや公共交通機関の入り口に消毒液が置かれたという。外資系ホテルにはサーモグラフィーが設置され、男性は「早くから徹底していた」と振り返る。

 ロックダウン(都市封鎖)を行っていない韓国での感染防止策については、感染者の動向調査と情報公開に評価の声が挙がっている。位置情報などを分析し、感染者の移動経路や立ち寄った場所などを公開。男性のスマートフォンにも政府からの情報提供のショートメールが届くという。男性は「日本とは異なる取り組みだと思う。個人情報の取り扱いは気を付ける必要はあるが、感染者の情報公開で警戒心はより強まった」という。

 マスクに関しては、韓国ではもともとPM2・5対策もあってマスク着用率は高いという。マスクの入手については、韓国政府が生産・流通をコントロールしたり、購入システムが設けられたことで、一般用については薬局で毎週手に入る状況にあるという。薬局のマスク在庫を知らせるアプリも登場した。

 現在は、韓国総選挙の実施後に公園が開放されるようになり、レストランで飲食を楽しむ若者の姿が見受けられ、一方で、カラオケや接待飲食店は休業になっているという。

 男性が驚いたことがある。ソウルの渋谷と呼ばれる街であっても、若者はあまり出歩くことはなく、ソウル市内のクラブは閉められていたことだ。それに、食事に関しては配達産業がかなり発達しており、街の小さな食堂でも価格を抑えたデリバリーシステムを導入。飲食業界のダメージはそこまで深刻ではないという印象だ。ただ、一般家庭の収入減、消費マインドの低下によって、韓国経済全体への影響については「不安」を口にする。

 男性が着目しているのは、韓国の人たちの感染対策への姿勢だ。「韓国では、(2015年に流行した)中東呼吸器症候群(MERS)や重症急性呼吸器症候群(SARS)を経験していることもあると思うが、国民1人1人が高い意識を持っているように感じる。韓国の人たちは、『自分はコロナにかかっているかもしれない』と思うほどの危機意識を持って生活している」と話した。

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