元男の子YouTuber・青木歌音が明かす難病 豊胸手術疑惑を否定「副乳もできてかなり痛い」

“元男の子”として活躍するトランスセクシュアルのYouTuber・青木歌音が昨年11月、持病の難病・クラインフェルター症候群を告白し、反響を呼んだ。いったいどういった症状なのか。そして“元男の子”がなぜYouTuberになったのか。青木本人に話を聞いた。

持病のクラインフェルター症候群について語った青木歌音【写真:ENCOUNT編集部】
持病のクラインフェルター症候群について語った青木歌音【写真:ENCOUNT編集部】

持病「クラインフェルター症候群」「尋常性白斑」を告白

“元男の子”として活躍するトランスセクシュアルのYouTuber・青木歌音が昨年11月、持病の難病・クラインフェルター症候群を告白し、反響を呼んだ。いったいどういった症状なのか。そして“元男の子”がなぜYouTuberになったのか。青木本人に話を聞いた。(取材・文=石井宗一朗)

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 ネットで豊胸手術を疑われていたことを明かした青木。今回のカミングアウトはその疑いを晴らすためのものだった。

 通常男性はXY、女性はXXの性染色体(遺伝情報の発現と伝達を担う生体物質)を持つ。しかし、青木の性染色体は生まれつきXXYだった。

「女性ホルモンを投与する前から、普通の男性が持っている男性ホルモンの量が半分もなかった。その状態で女性ホルモン剤を投与すると過剰に変化してしまう。女の人って妊娠すると女性ホルモンがたくさん出て、胸が張ったりするんですけど、私もその状況になってしまいました」

 ホルモン剤で人並み以上の変化が表れたが、副作用もあった。「女性の5%の割合で第3の乳房、『副乳』ができちゃうらしいんですけど、私もできてかなり痛い。手術も予定しています」。

 クラインフェルター症候群について「“女性らしく”なりやすい病気。“元男の子”にはうらやましがられることもある」と話す青木。“女性らしく”なるだけであれば問題はなかったが、この疾患は骨粗しょう症や糖尿病などの合併症のリスクが高まるという特徴も持つ。青木の場合、皮膚の色が白く抜ける「尋常性白斑」を患っており、日焼けは厳禁だと語る。

YouTuberとなったきっかけを明かした青木歌音【写真:ENCOUNT編集部】
YouTuberとなったきっかけを明かした青木歌音【写真:ENCOUNT編集部】

“プラレールお姉さん”としてYouTube活動をスタート

 こうした疾患と向き合いながらも人気YouTuberとして活躍している青木だが、元々YouTuberになるつもりはなかった。

 女性ホルモン剤の使用が家族にバレ、「女性になりたい」とカミングアウトした際、父親に「有名にならない限り認めない」と言われていた青木は、「とにかく有名になりたかった」と当時を振り返る。

「どうすれば有名になれるかと考えたときに、中村中さんみたいに『歌を歌えばいいのでは?』となって……」と、テレビで見たシンガー・ソングライター中村中に感銘を受け、音楽の専門学校に入学。本格的な会場で行われる発表会のチケットを売りさばけなかったことで、「歌で有名になるより、有名になって歌った方が早いのでは」と考えるようになった。

 YouTuberになる気はまったくなく、集客のためにYouTube活動を開始。高校時代にブログランキング1位をとったこともある青木にとって、YouTubeは得意なジャンルだった。

「いきなり歌っても誰も見てくれません。だからまずは、YouTubeで何が人気なのかを研究して、おもちゃ紹介に目を付けました。当時付き合っていた彼氏が電車好きだったのもあって、最初は“プラレールお姉さん”として活動してました。バックに『元男の子・青木歌音』みたいな大きな張り紙をして(笑)。それで登録者数1000人ぐらいまで伸びて、『これだけいれば好きなことをやっても伸びるだろう』と思って、街ブラ企画とかをするようになりました」

 元男の子の“プラレールお姉さん”として出発した青木だったが、今では野球企画の実施やプライベートであった出来事の共有などを行っている。借金返済、裁判、性被害の告白など刺激の強い動画もアップしており、「攻めた内容になったのは近年。今とキャラが違い過ぎて、初期の動画は150本ぐらい非公開にしてます」と、スタイルの違いも明かした。

 そんな青木の目標はYouTube登録者数100万人の達成。「YouTuberとして一人前になりたい」と前を向きつつも、“今もっともやりたいこと”として「始球式」を挙げた。「パッと見どこにでもいそうな女性の私が、100キロとか投げたらお客さんはどういう反応するのかを見てみたい。スポンサーさま、お待ちしております!」。

 難病を抱えながらも前を向く青木。今後もその活躍に注目していきたい。

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