田村亮が大切にする“経験値” YouTubeでニッチすぎる内容を発信し続けるワケ

お笑いコンビ・ロンドンブーツ1号2号の田村亮は、2021年10月のYouTubeチャンネル開設以来、マイペースに動画を投稿し続けている。愛車紹介やモグラ捕獲に挑戦、自分で釣った魚をさばく様子などさまざまな企画を発信中だ。亮自身が「少数派のための映像」と明かす動画の数々。どのような思いで投稿を続けているのだろうか。

自身のYouTube活動について語るロンドンブーツ1号2号の田村亮【写真:荒川祐史】
自身のYouTube活動について語るロンドンブーツ1号2号の田村亮【写真:荒川祐史】

『トップガン』鑑賞で「共感」した衝撃の体験

 お笑いコンビ・ロンドンブーツ1号2号の田村亮は、2021年10月のYouTubeチャンネル開設以来、マイペースに動画を投稿し続けている。愛車紹介やモグラ捕獲に挑戦、自分で釣った魚をさばく様子などさまざまな企画を発信中だ。亮自身が「少数派のための映像」と明かす動画の数々。どのような思いで投稿を続けているのだろうか。(取材・文=中村彰洋)

 元々は相方の田村淳とともにコンビでYouTubeチャンネルを持っていたが、更新頻度が高くなっていったことで「もっとゆっくりのペース」を意識するようになった。そこで「自分の思ったことを表現する場」として個人チャンネルの開設に踏み切った。

 週1程度の更新頻度。「これぐらいがストレスにならないんです。自分で撮影して、編集も手伝ってもらいながらですが、自分1人でやったりとあまり負担をかけないようにしています」とマイペースを貫く。

 旧車を乗り継ぐ人気企画から、モグラ捜索に出掛けたり、釣った魚を干物にしたりとお世辞にも人気とは言えないような企画までバラエティーに富んでいる。「企画は自分で考えています。全然再生されないやつもいっぱいあります。びっくりするぐらい回らないです。コメント欄にも『僕は面白いと思う』って……。一般的には面白くないと思っていることが前提にされてるんです」と笑い飛ばした。

 それでもニッチな内容を発信するのには、亮なりのこだわりがあった。「大衆に向けてというよりも『みんなこれ疑問に思ってません?』といったことをやりたいんです。僕の思いは少数派なことが多くて、そういった世の中とズレているものってテレビとかでは企画にならへんし、映像にも残らない。だったらそんな少数派のための映像があってもいいんじゃないかと思ったんです。誰かが探したときに僕んところにたどり着いて、資料になればいいなって」。

 もちろん思ったように再生数が伸びない動画もある。そういった動画を編集する際には「心が折れる」とボヤキながらも、自分が面白いと思ったことを発信し続けるというスタンスはブレていない。

「一生に1回はやっといた方がいいと思ったりするんです。どんなことでも体験しときたいんです。体験すれば、人がやっている姿を見たときに『あれってこう大変やねんな』って思えるんですよ」

 その経験が思わぬ形で活きたエピソードがある。

「芸人をしていて、いろんなことを経験できるのは特権やと思うんです。罰ゲームで世界一高いバンジーを飛ばされたり、ホンマは嫌やけど、普通はみんなお金を払ってやること。それを経験することができるんです。昔、罰ゲームで南アフリカで戦闘機に乗ったときにすごいGで耐えられなくて、数秒気絶したことがあったんです。映画『トップガン マーヴェリック』で俳優さんたちが気絶しそうになるシーンあるじゃないですか。あれを『分かる!』って共感できるんですよ(笑)。訓練してる人でもああなるんだったら、僕が気絶してもしゃあないよねって。みんなと映画の見方違いますよね(笑)」

 今後YouTubeでは、ありのままの発信を続ける。「遊び場のギャラリーになればと思っています。計算でやっていることは1つもないので、思ったままにやっていきます」。

 目指すは再生回数「100万回」。現在は5万人超の登録者数だが、10万人突破で手にすることができる「銀の盾」を目標に発信を続ける。

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