草彅剛「僕にとって特別な作品。必死に演じた」…映画「台風家族」への熱い思い
俳優の草彅剛(45)主演の「台風家族」が9月6日から3週間限定で全国ロードショーされる。同作は「箱入り息子の恋」(2013)の市井昌秀監督(43)が12年間温めてきた“両親への想い”を形にしたオリジナルストーリー。当初、今年6月公開で決定していたが、出演者の一人、新井浩文氏が2月に逮捕・起訴されたことから、配給元のキノフィルムズは上映延期としていた。筆者は昨年7月11日、栃木県栃木市藤岡町でロケ取材したが、記事化を控えていた。取材から1年から経ったものを記事化するのは異例だが、草彅、市井監督の映画にかける思いを改めて知っていただきたい。
映画「台風家族」草彅剛&市井昌秀監督インタビュー(上)
俳優の草彅剛(45)主演の「台風家族」が9月6日から3週間限定で全国ロードショーされる。同作は「箱入り息子の恋」(2013)の市井昌秀監督(43)が12年間温めてきた“両親への想い”を形にしたオリジナルストーリー。当初、今年6月公開で決定していたが、出演者の一人、新井浩文氏が2月に逮捕・起訴されたことから、配給元のキノフィルムズは上映延期としていた。筆者は昨年7月11日、栃木県栃木市藤岡町でロケ取材したが、記事化を控えていた。取材から1年から経ったものを記事化するのは異例だが、草彅、市井監督の映画にかける思いを改めて知っていただきたい。
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<「台風家族」ストーリー>
2000万円の銀行強奪をし、一時世間を騒がせた鈴木一鉄(藤竜也)と妻・光子(榊原るみ)の夫婦。2018年夏、その事件から10年経って、鈴木家のきょうだいが集まることを決めたのは、事件後行方不明になった両親の仮想葬儀で財産分与を行うためだ。どんな仕事も長続きしない小鉄(草彅剛)が妻の美代子(尾野真千子)と娘のユズキ(甲田まひる)を引き連れて10年ぶりに実家へやってきた。しばらくすると長女の麗奈(MEGUMI)、次男の京介(新井浩文)がやってきた。そして始まる見せかけだけの葬儀。居間の中には大きな空っぽの棺が2つ。末っ子の千尋(中村倫也)はやって来ない。とうとう葬儀が終わったとき、ドアの外にチャラチャラした男が立っていた……。
――ユニークな題材ですね。着想のきっかけは?
市井監督「富山に住む両親と離れて、僕は長年東京に住んでいます。両親の誕生日や結婚記念日に二人のことを考えることはあっても、普段は忙しさにかまけて二人の存在はほとんど頭の中にありません。12年前、そんな自分の薄情さに気づき、胸がチクリと痛んだ時、どうしても家族の映画を作りたい、作らなければと思ったのがきっかけです」
――撮影にどんなふうに臨んでいますか?
草彅「監督は初めて僕より年下なんです。いろいろ思う部分はありますね。しかも長男の役で、遺産相続の話。僕もそういう年になってきたんだな、と。現場は市井昌秀のオリジナル脚本と監督パワーで、すごい情熱がひしひしと伝わってきましたね。僕にとっても特別な作品になると思います」
――脚本のどの部分に魅力を感じていますか?
草彅「これは、監督がおっしゃったことですが、『この映画は見る人によっては、コメディーでもある。でも、自分たちはふざけているわけじゃなくて、そこで必死に生きているわけです。(俳優陣が)それぞれのキャラクターをどう演じるかっていうのがテーマだ』と。それによって、家族の絆、兄弟の絆といった人間ドラマがリアルに描かれていれば、いい映画になると思います」