“炎の飛龍”藤波辰爾が力道山生誕100年プレイベントで師・アントニオ猪木さんへの想いを新たに
「プロレス伝道師になる!」“ドラゴン”藤波辰爾が決意を新たにしている。
毎週金曜日午後8時更新 柴田惣一のプロレスワンダーランド【連載vol.130】
「プロレス伝道師になる!」“ドラゴン”藤波辰爾が決意を新たにしている。
師・アントニオ猪木さんが亡くなり、今年は古希(70歳)を迎えることもあり、プロレスそして闘魂伝承について改めて考えることが増えたという。
「猪木さんが師匠であることは、永遠に変わらない。猪木さんの考え、思いを後進の人たちに伝えていくのが役割」と表情が一段と引き締まった。
猪木さんに憧れ、猪木さんの付き人となり、猪木さんを見つめてきた。猪木さんの背中を追い、そして激闘も繰り広げた。
「改めてすごい人だった。まだまだ語りつくせない」とキッパリ。リング上だけでなく、リングから離れた猪木さんの言動から学んだことを紡いでいく。闘魂伝承の語り部となることが、今後の使命だと自覚している。
猪木さんだけではない。ジャイアント馬場さんとも交流があった。「BI砲の二人と、時間を共有させてもらった。2人の様子を直接、目にした者として、きちんと語り継いでいく」と目を輝かせる。
BI砲の師であり、日本プロレスの父・力道山さんは直接、関わることはなかったが、力道山夫人の田中敬子さんを始め、力道山さんをよく知る人たちとのお付き合いも欠かさない。「猪木さんを語る上で、力道山先生を知っていれば、より深みが出ると思う」とニッコリ。つい先日も「力道山生誕100年プレイベント第一弾 新春天草プロレスフェス2023」(1月22日、熊本・天草市御領地区コミュニティセンター)に参加した。
東京から駆けつけたファンの応援を受け躍動
崔領二、富豪富豪夢路とコンビを結成し、ディラン・ジェイムス、ハートリー・ジャクソン、リッキー・フジ組と対戦。子どもたちの黄色い声援に加え、地元だけでなく東京から駆けつけたファンの応援を受け躍動。リッキーをドラゴンスリーパーホールドで仕留めた。
マイクを握った藤波は「皆さん、ありがとう。一年一年、これからも頑張っていきます」と生涯現役宣言。赤いタオルを首に巻き「皆さんも、同じ思いでしょう。猪木さんをしのんで、やりましょう」と「1、2、3、ダーッ!」で大会を締めくくった。その後も、リングサイドでサイン、記念撮影に臨み、ファン一人ひとりと言葉を交わしていた。
「いやあ、皆さんの熱気にこちらもあおられる。元気をもらえるね」とうれしそう。「力道山先生の偉大さも、また再認識されているし、猪木さん、そして馬場さん……先人の偉業を忘れるわけにはいかない。伝道師として語り部としての役割を授かったと、せんえつながら思っている。まだまだやることが、たくさんある」とドラゴンスマイルを爆発させた。
なお、1・22天草大会では、地元・熊本のマスコットキャラクター「くまモン」のお友達 火の国くまもとマスクも登場。天草出身のお笑い芸人、ガリットチュウ・福島善成ふんする奈良県のマスコットキャラクター「せんとくん」と対戦するスペシャルマッチのゴングも鳴った。
特別レフェリーは福島の相方、ガリットチュウ・熊谷茶。両者譲らない熱闘の末、両者リングアウトからのノーコンテストに終わったが、会場を熱狂させていた。
天草には昨年、プロレス殿堂館リングサイドがオープン。今大会は同館のストロング永田がリングアナウンサーを、レフェリーを永田侑太郎が務めた。
“燃える闘魂”猪木さんも、“炎の飛龍”藤波も、赤々と燃える激しい闘いの歴史がある。火の国・熊本で藤波はまた一段と、闘う魂、ストロングスタイルへの想いを強く持ったという。
空から猪木さんも見ている。力道山さんが灯し、猪木さんが燃やしたプロレスの火を、絶やしてはいけない。未来へ伝承し、さらに発展させるべく、レジェンド藤波のプロレス道は続く。