小籔千豊、世間で言われるようなマイホームパパじゃない「嫁はんに苦労させたから」
初めての著書「ゲーム反対派の僕が2年で4000時間もゲームをするようになった理由」(辰巳出版)が好評発売中のお笑いタレントの小籔千豊(49)。フォートナイト初心者の始め方、YouTubeでのゲーム配信を通じて変わった家族関係などを語った。
初の著書「ゲーム反対派の僕が2年で4000時間もゲームをするようになった理由」が発売中
初めての著書「ゲーム反対派の僕が2年で4000時間もゲームをするようになった理由」(辰巳出版)が好評発売中のお笑いタレントの小籔千豊(49)。フォートナイト初心者の始め方、YouTubeでのゲーム配信を通じて変わった家族関係などを語った。(取材・文=平辻哲也)
フォートナイトはオンラインのシューティングゲーム。複数のプレーヤーとチームを組んで、さまざまミッションをこなしていくというもの。マイクロソフトウインドウズ、Mac、Switch、iOS、アンドロイドなどさまざまなプラットフォームに対応しており、初心者でも始めやすいのが特徴だ。
「最初は下手くそ同士で始めるのはおすすめですね、1人で始めると、なかなかうまくいかない。下手な者同士で同時にやっていた時期があったから続けられた」。プレーヤー名「フォートナイト下手くそおじさん」を名乗っているが、2年間で4000時間以上ゲームを続けた結果、10のレベルに分かれる「フォートナイト アリーナ」ではチャンピオンズリーグに属するレベル「8」を獲得している。
「『下手くそおじさん』という名前はやめた方がいいんじゃないですかって言うてくる人もいますけど、うまい子どもから見たら、まだまだ。フォートナイトは、年が行けば行くほど下手くそになるゲーム。下手すぎて気分も落ちるときもあれば、なぜか笑けてくるときもあるんです。どの仕事でもある程度やれば、人に教える立場になったりすると思うんですけど、そうはならないのが楽しい。この年になって、へこんでるのが人生として豊かな気がする。それでも、自分には腹が立つんですよ」と笑い。
どんなに対戦をこなしても、小学生の息子(12)の方が上。ゲームをやりながら、将来の夢や学校での出来事も語り合った。
「最初の頃は、将来、YouTuberになりたいとか言ってましたけど、最近は言わなくなりましたね。自分で見聞きして、『確かに、これ大変やな、無理やな』と思ったんでしょうか。僕も最初は登録者を増やすのに苦戦しましたし、チャンネル登録者数が1万人を超えるきっかけも僕は芸人をやってたから。どこの誰でもない人が100万人の登録者数があるっていうのは本当にすごいなと思います。フォートナイトをやって子どもと接することによって、知らん世界がまだまだあるなと思いましたね。僕自身成長したかも」と息子にも感謝する。
世間ではマイホームパパとしても知られているが、自身にはそんな意識はないのだという。
「よく言われるんですけど、そんなことはないんです。(結婚当初)嫁はんには貧乏させたので、一定の生活をさせたいだけです。そういう考えは今の時代にそぐわないのか分かりませんが、おばあちゃんや母親からは『男のくせに割り勘にするなとか、男たるものは……』と言われて、ビシビシ植え付けられた物差しの中で来てるんでしょうね。一番、男としてダメなときに結婚してしまったので、余計にそう思ったのかもしれない。結婚するなんて申し訳ないし、さらには子どもまで持ってしまったから」
芸人としては順調にキャリアを積み重ねてきたが、12万4000人以上が登録するYouTubeチャンネルはビジネスとしてマネタイズできているのか。
「生配信はお金にならないですよ。何回も見られるわけじゃないし、広告もあまり回らない。YouTubeに詳しい人に聞くと、同じ1時間の動画なら、10分の動画を6本あげた方がお金になるらしいです。そういう意味では、配信時間に見合っていないです。『ビクロイ(=ビクトリーロイヤル、1位を取ること)とるまで帰れま10』という企画では34時間もかかったし、本当に地獄を見ましたから」と苦笑する。ただ、この本気感があってこそ、視聴者に熱が届いたのだろう。
□小籔千豊(こやぶ・かずとよ)1973年9月11日、大阪出身。2006年から吉本新喜劇の座長に就任し、22年8月まで務める。バンド「ジェニーハイ」のドラマーとして参加。2004年放送のNHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』にレギュラー出演するなど俳優として多数の話題作に出演。ほか主な出演作に『FLY!~平凡なキセキ~』(12/監督:近藤真広)、TVドラマ『陸王』(17)、『テセウスの船』(20)、NHK大河ドラマ『麒麟がくる』(20~21)など。映画『ある男』が公開中。