小沢仁志が40年愛した草野球、アクション映画で身体ボロボロ 投手を続けるため膝手術

主演アクション映画『BAD CITY』(1月20日より新宿ピカデリー他にて全国順次公開)で、還暦ながら、自ら体を張った無茶なアクションを見せた俳優・小沢仁志(60)。そのバイタリティーの秘密は趣味40年続けている草野球。映画製作には、「小沢会」なる全国組織がバックアップしている。

「小沢会」について語る小沢仁志【写真:ENCOUNT編集部】
「小沢会」について語る小沢仁志【写真:ENCOUNT編集部】

還暦ながら主演アクション映画『BAD CITY』で無茶なアクションを披露

 主演アクション映画『BAD CITY』(1月20日より新宿ピカデリー他にて全国順次公開)で、還暦ながら、自ら体を張った無茶なアクションを見せた俳優・小沢仁志(60)。そのバイタリティーの秘密は趣味40年続けている草野球。映画製作には、「小沢会」なる全国組織がバックアップしている。(取材・文=平辻哲也)

 型破りな刑事役を演じた本作では、100人の敵を相手に肉弾戦を繰り広げる。「オレがトレーニングするのは、お姉ちゃんと海に行ったときに、腹が出ているとパトロンにしか見えないのがイヤだからなんだよね。俺の美学が許さないからね」と笑う。

 普段の体力は野球で養っている。草野球チーム「ブルドックス」は寺島進、『日本統一』シリーズの主演・本宮泰風、山口祥行、メーンキャストの勝矢、野村祐人、やべきょうすけという強面のメンバーが結集。小沢は投手を務めている。

「草野球チームは40年やっているかな。初期のメンバーはギリギリ寺島進が引っかかっているぐらい。未だに時速120~130キロ目指して、日々、投げ方を研究して、球種を増やしている。それが若さの秘けつかな。若いうちは球も速いし、ミットにバーンと届くけど、オレは両膝が全然駄目。身体もボロボロ。それでもいいかなと思ったけど、野球を続けるために膝の再生治療を受けることにしたんだよ。それを勝矢に言ったら『ちょっと待ってくださいよ。そうしたら、もっと動けるってことですよね。手がつけられないからもうやめてください』って」と笑う。

 プロ野球の始球式やテレビのバラエティーでも、その豪腕ぶりを披露している。大好きな選手はMLBロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平投手(28)。背番号も大谷と同じ「17番」だ。

「以前は『11番』だったんだけど、17番をつけていたヤツによこせ、と言ったんだ。でも、背番号だけ張り替えると、汚く見えるから、ユニフォームをそっくり作り変えたんだよね。スライダー、フォーシーム、フォークといろいろと研究したね」。本人はこう言っているが、以前、取材した本宮泰風は「小沢さんは球が遅すぎるので、打たれてしまう。『17番をつけて恥ずかしくないんですか』と言ったくらいなんです(笑)」と明かしていた。後輩俳優とこんなやりとりをできるのも、小沢の人間力なんだろう。

 草野球のほかにも、小沢を支える組織がある。それは「小沢会」の存在だ。元々は小沢の映画製作を支える有志の会だったが、今では小沢公認のファンサイトを運営する全国組織になっている。小沢会の本格的な炊き出しは共演者の間でも評判だ。

「ファンクラブではなく、小沢をサポートする会という形で作ってくれたんだ。10年くらいやってくれていて、北海道から九州まであるんだよ。居酒屋をやっている連中がわざわざ店を休んで、現場で炊き出ししてくれるんだ。今回の映画では、九州の連中がいっぱい手伝ってくれたんだよね。何がすごいかというと、彼らは無償。身銭を切るんだよ。それじゃあ、申し訳ないから、『グッズを作って、そのロイヤリティーでやってほしい』と言ったんだ。そうしたら、『グッズ販売で利益が出ているので、どんどんこちらに来てください』って。と言われても、なかなか行けないのが申し訳ない。メジャー作品でも、すごいケータリングがあるけど、負けていないよ。キャンピングカーやキッチンカーがあって、これがあれば、どこでも撮影できる。大きな寸胴でラーメンを作ってくれたり、お好み焼きも。本当にありがたいよ」。小沢は還暦記念の最新作には、支援者への感謝の気持ちも込めた。

□小沢仁志(おざわ・ひとし)1962年6月19日、東京都出身。1984年、TBSドラマ『スクール☆ウォーズ』で本格的に俳優デビュー。以後、『SCORE』『太陽が弾ける日』など、多くの映画やドラマで強面の個性を発揮。スタントマンをほとんど使わないアクション俳優としても知られている。「顔面凶器」「Vシネマの帝王」などの異名を持ち、その出で立ちから数々の悪役を好演。OZAWA名義で監督や企画、脚本も担当。

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