直木賞・小川哲氏、作中の修行シーンは人気少年漫画を意識「『感謝の正拳突き』が大好き」
第168回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)が19日発表され、直木賞を受賞した小川哲氏が都内のホテルで記者会見に出席した。受賞作は『地図と拳』(集英社)。2回目の候補入りで、直木賞は千早茜氏の『しろがねの葉』(新潮社)とのダブル受賞となった。
作中の修行のシーンでは人気漫画『ハンター×ハンター』を意識
第168回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)が19日発表され、直木賞を受賞した小川哲氏が都内のホテルで記者会見に出席した。受賞作は『地図と拳』(集英社)。2回目の候補入りで、直木賞は千早茜氏の『しろがねの葉』(新潮社)とのダブル受賞となった。
小川氏は1986年生まれ。東京大学教養学部を卒業後、同大学大学院総合文化研究科を博士課程で中退し、15年に『ユートロニカのこちら側』で第3回ハヤカワSFコンテスト大賞を受賞しデビュー。17年に『ゲームの王国』で第38回日本SF大賞、第31回山本周五郎賞を受賞。本作『地図と拳』では第13回山田風太郎賞も受賞している。
かしこまったあいさつの後に「正直に今の気持ちを申し上げますと、さっさと終わってお酒飲みたいなという気持ちです」と本音を明かした小川氏。受賞の第一報は母親に伝えたといい「ラインで一言、『受賞』と。未読でした」と話し笑いを誘った。
受賞作は歴史巨編小説。作中の修行のシーンでは人気漫画『ハンター×ハンター』を意識したといい、「ネテロ会長の『感謝の正拳突き』が大好きで、そのシーンに負けないくらいの修行シーンが書けたと思う」と自負する。
最後に一言求められると「ありがたいことにもうお仕事もいただいてるんですが、朝が苦手なので、朝早い仕事はなるべくやめていただけるとありがたいです」とひょうひょうとした話しぶりで語った。
正賞は時計、副賞は賞金100万円。贈呈式は2月下旬に都内で行われる。