俳優の妻夫木聡が主演を務めるTBS系日曜劇場『Get Ready!』（午後9時）の第2話が15日に放送された。妻夫木演じる謎に包まれた天才執刀医・エースの過去が垣間見えるシーンが散りばめられ、「また謎が深くなった」と視聴者の興味を集めている。

（※以下、ドラマの内容に関する記述があります）

　多額の報酬と引き換えに手段を選ばず患者の命を救う正体不明の闇医者チームを描いた、医療エンターテインメント。表の顔はパティシエ、裏の顔は大病院が匙（さじ）を投げた患者をも救う超人的なオペ技術を持つ孤高の天才執刀医・エースこと波佐間永介を妻夫木、表の顔は国際弁護士、裏の顔はエースの相棒として闇医者チームの交渉役・ジョーカーという下山田譲を藤原竜也、過去は謎に包まれているが腕は超一流のオペナース・クイーンこと依田沙姫を松下奈緒、カルテの盗み出しから闇医者チームのセキュリティーまでを担う若き万能ハッカー・スペードこと白瀬剛人を日向亘が演じる。

　第2話は、普段は国際弁護士として働く、闇医者チームの交渉役ジョーカーこと下山田穣の元を元妻である千秋（市川由衣）が訪ねてくるところから物語が始まる。千秋は将来は医者になりたいという息子の“お受験”に力を入れており、裏口入学のために必要な2億円を用意するようジョーカーに迫る。

　ジョーカーの息子が裏口入学を持ちかけられた城和大学附属小学校はお受験対策の塾でも金による裏口入学が横行していることが知られており、理事長の坊城（柄本明）はその裏口寄付金プロジェクトにより金を得ていた。千秋からの頼みを断りきれなかったジョーカーは裏口寄付金を持参して坊城に会いに行くが、そこへ父親のやり方に嫌悪感を持っている坊城の息子・康之（三浦貴大）がやってきて、ジョーカーを追い出してしまう。さらに康之は金ばかりを追う坊城を大学の経営からも排除するが、坊城はそれでもなお金に執着する姿勢を崩さないのだった。

　とことん金にこだわる坊城は、余命宣告を受けてもその信念を曲げず。ジョーカーから闇医者チームによる手術を持ちかけられても2億円というと裏口入学の金1枠分しか出す気はないと言い放つ。

　オペを行うにあたり“その患者に生き延びる価値があるのか”にこだわるエースは今回も「命を救ったとして、あんたに生き延びる価値はあるのか」と坊城に尋ねるが、それに対して坊城は「金のない理想など無意味なんだよ」ときっぱり。坊城のその言葉が気になったエースは、ジョーカーに坊城のいう“理想”とは何かを調べるよう依頼する。坊城が“理想”を追い金の亡者となった理由は、地方に一つでも多く優秀な病院を作る、一人でも多く優秀な医者を作り日本の医療格差をなくすという僻地医療の推進のためだった。大学を追い出され、余命もわずかとなった坊城は、自分の死後に僻地医療や患者の命を救うための新薬の開発などのさまざまなプロジェクトが頓挫することを見越して、関係者に会いに行っていた。「言葉だけじゃ信じてもらえないからね。金で、本気を示す」とこれまでにかき集めた金で理想を現実にしようとする。

　坊城の“理想”に触れたエースは、彼の手術を請け負うことを決意。手術の前に医学生や大学関係者たちに坊城の医療に対する思いをオンライン授業というかたちで届けることも提案し、坊城は2万3000人の医学生や大学関係者たちに自分の理想を語りかける。その中で坊城は、理想を追う中で私生活を疎かにし、妻や息子とまともに向き合えなかったことを後悔しいていることも吐露。オンライン授業は康之も見守っており「理想を実現するためには、金を作るしかなかった」という坊城の本音を聞き、父親の信念に触れた康之は涙。「まだ父の話を聞きたいです。教わりたいんです」と父の命を救ってほしいとジョーカーに依頼し、ジョーカーもこれを快諾。坊城の思いを受け止めたエースも彼の手術を行うことをのみ、坊城の命を救う。

　第2話で話題となったのは、柄本の“怪演”ぶり。「どんどん病気が進行しいていく皮膚の感じがスゲェ」「見入ってしまった」と演技力に感嘆するコメントが並んでいる。

　また、闇医者チームを追う警察が用意した現在行方が分からない医療関係者のリストにあったある名前にエースが「懐かしい名前だ」と反応していたこと、一命を取り留めた坊城になぜ助けたのかと訪ねられたエースが放った「その昔、あんたに選んでもらった1人の学生がアメリカのスタンフォード大学で修行をさせてもらった…」という意味深なセリフなど、エースの過去が垣間見えるシーンも多くあった。視聴者もこれらのシーンに反応しており「どんな人生を歩んできたのか気になります」「エースの謎がまた深くなった」と注目を集めている。