3年目迎えた共通テスト 「地理歴史・公民」は時事ネタがカギ「新聞や良質なTV番組を」
大学入学共通テストが14日から全国各地の会場で始まった。昨年、受験生ら3人が少年に刃物で切りつけられる事件が発生した東京・文京区の東京大では正門前にパトカーや警察官らが配備され警戒にあたっていた。
実際に世界で起きていることへの関心と思考力が重要
大学入学共通テストが14日から全国各地の会場で始まった。昨年、受験生ら3人が少年に刃物で切りつけられる事件が発生した東京・文京区の東京大では正門前にパトカーや警察官らが配備され警戒にあたっていた。
この日の試験教科は「地理歴史・公民」「国語」「外国語」。午前9時半に始まり午後6時10分に終了した。センター試験に変わって2021年から始まった共通テストの傾向について大手予備校講師はこう話す。「共通テストの問題は学校の教科書が基本です。難解な参考書に向き合うのではなく教科書をじっくり勉強することが大事。しかし、問題量が多いので時間配分に気を付けないといけません」。教科書がベースということだが、その中でも目立つのは「受験生を取り巻く社会や実生活に密接に関わる設問」(同)という。
では、実際にはどうだったか。「地理歴史・公民」の現代社会では、外国為替、自由貿易協定締結による利益と損失、先進国と開発途上国の医療格差問題、日本とアジアの政治や経済、子どもの貧困問題に対する取り組みや解決方法などが問われた。政治・経済では、都市の過密化と地方の過疎化、21年の少年法改正、SDGsと環境・人権問題などの出題があった。
「私たちの身の回りで実際に起きている出来事を非常に意識した良問と言えます。海外研修に参加した高校生の体験をもとに考えさせる問題がその典型です。できれば、来年の受験生は教科書を基本にしながらも新聞を読む、あるいは時事問題を扱った良質なテレビ番組を見るなどして実際に世界で起こっていることへの関心と思考力を養うことが重要です」(同)
共通テスト2日目の15日は「理科1」「数学1」「数学2」「理科2」の順で試験が行われる。