「世界に1台」真田幸村イメージの車が登場 カスタム総額1500万円超も「二度と作りたくない」の真意
戦国の武将・真田幸村をモチーフにしたカスタムカーが東京オートサロン2023(千葉・幕張メッセ)に登場し、注目を集めている。
製作に半年、細部も真田一色「全部、本物にこだわっている」
戦国の武将・真田幸村をモチーフにしたカスタムカーが東京オートサロン2023(千葉・幕張メッセ)に登場し、注目を集めている。
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もともと4年前にレース用にカスタムされた車体を今回の展示に合わせてさらに改造したもので、ベースはトヨタのハイエースだ。オートマチックから5速マニュアルに変更し、スーパーチャージャーを搭載するなど、ドリフト走行も可能な仕様になっている。名前はズバリ、「侍」。
手がけたのは大阪のカスタムキャンピングカーを販売する株式会社ナニワ。崎野浩一代表は、ENCOUNTの取材に「大阪で忠誠心のある武将と言ったら真田でしょう。ただ、甲冑の紋が六文銭。三途の川(さんずのかわ)の渡し賃と言うでしょ。車に入れると縁起が悪いので、六文銭はゲンを担いでやめています」と話した。
歴史好きという崎野代表だけに、車の随所にこだわっている。
車の全体のイメージは、「真田の甲冑から、いでたちを表現したかった。武将としての姿ですよね」。フロント部分は“真田号”らしい赤のカラーリングで、助手席のレカロのシートには真田のマスクと陣羽織が置かれている。大坂の陣で単騎、徳川家康に迫った真田の雄姿をほうふつとさせる。後部座席の後ろにはなんと“和室”を作った。畳に障子、そして鹿の角が象徴的な真田のかぶとを飾っている。障子にはひのきを使い、内側のパーツにはうるし加工を施す。「全部、本物にこだわっている」。後部座席には、真田の「珠玉の言葉」を刺しゅうで入れた。シートの色やデザインは鎖かたびらを表現。車体を含めたカスタム費用は「軽く1500はいっている」と明かした。
世界に1台のオリジナルカーも「二度と作りたくない」の真意
「オンリーワンですね。世界に1台です」と胸を張るデモカーだが、残念ながら量産するつもりはない。「二度と作りたくないですよ。製作に半年以上かかっていますからね」と、崎野代表は苦笑い。展示モデルのみ、価格は要相談で買い手を探している。
条件は「乗りこなせる方に売りたい。やっぱり癖があるんでね」と、ややハードルが高そう。真田好きにはたまらない車だが、インパクトが強い分、周囲からの注目や好奇の目もすさまじい。
車の後部ドアに描かれた真田の絵も強烈で、「侍が浮き出て見えるんです。余計に引くかなと。信号待ちしていても後ろの車は離れますね(笑)」。酸いも甘いも受け止める“令和の幸村”は現れるのか。