居酒屋の店主がド派手な“デコトラ”キッチンカーで奔走 苦節5年 映画ロケのケータリングも
いまや街中どこでも見かけるキッチンカー。コロナ禍の影響を受けながらも新たなビジネスチャンスと捉えて開業する人も多いが、生き残り競争はさらに厳しさを増しているという。そんなキッチンカーに魅せられたオーナーの“キッチンカー愛”がド派手な「デコトラ」に込められた居酒屋店主に話を聞いた。
居酒屋の集客が頭打ちで一念発起
いまや街中どこでも見かけるキッチンカー。コロナ禍の影響を受けながらも新たなビジネスチャンスと捉えて開業する人も多いが、生き残り競争はさらに厳しさを増しているという。そんなキッチンカーに魅せられたオーナーの“キッチンカー愛”がド派手な「デコトラ」に込められた居酒屋店主に話を聞いた。
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昨年末、袖ヶ浦海浜公園(千葉県)で開催された「キッチンカーGP」。地元千葉を中心にさまざまな種類のキッチンカーが出店する中、ひときわ目を引く「デコトラ」のキッチンカー。昭和の香りがぷんぷん漂うトラックの前には、多彩なメニューがずらりと並んだ。定番のロングポテトやポークフランクはもちろん、牛タン串、肉巻き、チャーシュー丼ほか。フルーツジュースやアルコール類も充実している。
まるで移動式の居酒屋といったキッチンカー「KICHENBOO」。それもそのはず、オーナーの植木さんは館山市内で居酒屋を営む店主だ。
「今も居酒屋をやりながらなんですが、館山は人口が減少していてお客も頭打ちになってきて固定店舗で待ってるだけの商売は終わったなって個人的に感じたんです。このまま店だけで生き残る残るよりも思い切って外に出た方が面白いんじゃないのかなと思ってキッチンカーを始めました」
スタートから軌道に乗るまでに5年を費やしたという。
「最初は小さいキッチンカーを手に入れて、とりあえずやってみようで始めてみたんだけど全然ダメでしたね。やっぱり知名度がないからイベントに誘われないし、自分でもなかなかイベントを探せない。それで小さな規模のマルシェ的なイベントを探して、どんなところでもやっていくうちにキッチンカー仲間もできてお互いに情報交換しながら少しずつ声が掛かるようになりました。今の状態に落ち着いてまだ3年くらいですよ」
映画やドラマのケータリングに進出
派手なデコトラのキッチンカーは4台目だそう。
「イベント車は目立ってなんぼっていう考えです。昔、トラックの運転手をやっていてデコトラが大好きで、実家は電気屋をやっていたので若い頃から内装も得意だったんです。それで趣味と実益を兼ねて飾りつけから全部自分でやりました。初めは買いにくるよりも写真を撮りにくる人ばかりだったんですが、デコトラにしてからテレビで取り上げていただくこともあって、大きなイベントにも声を掛けてもらえることが増えました」
現在は居酒屋と並行して3台のキッチンカーを稼働させながら家族で忙しい毎日を送っていてる。
「妻が道の駅でクレープとかフルーツジュースを出していて、ほかにも映画やドラマのロケのケータリングで呼んでもらうことも多くなりました。この前も有名な俳優さんが出演する映画のケータリングを担当させていただいてグルテンフリーの料理とかスパイスカレーを作らせてもらったんです。居酒屋をやっているので出演者のみなさんの好みに合わせて臨機応援に対応できるのが大きいんですよ」
最後にキッチンカーの魅力を聞いた。
「そうですね。やっぱり天候とか出店場所、あとイベント内容によっても全然売れ方や売れるものが違いますし、お客さんの数も予想通りにはいかないので今でも苦労の連続なんですが、その都度作戦を練って、それがうまく当たったときには利益も生まれるのでやりがいがありますし。やっぱりキッチンカーは面白いですよ」