試験当日の“痴漢予告”は「書き込み自体が加害」 受験生狙う卑劣な痴漢行為、どう防ぐ

大学入学共通テストが14、15日に全国679会場で実施される。近年、大きな社会問題となっているのが、試験当日の痴漢行為をほのめかすネット上の書き込みだ。試験に遅刻できないという受験生の弱みにつけこんだ卑劣な痴漢行為にどのように対策していけばいいのか。「共通テスト痴漢撲滅アクション」主導メンバーで作家のアルテイシアさんと、啓発漫画を書いたイラストレーターの志水恵美さんに、痴漢撲滅への思いを聞いた。

大学入学共通テスト当日の痴漢対策はどのように対策すべきか?(写真はイメージ)【写真:写真AC】
大学入学共通テスト当日の痴漢対策はどのように対策すべきか?(写真はイメージ)【写真:写真AC】

昨年は大学入学共通テスト当日に「痴漢祭り」がトレンド入り

 大学入学共通テストが14、15日に全国679会場で実施される。近年、大きな社会問題となっているのが、試験当日の痴漢行為をほのめかすネット上の書き込みだ。試験に遅刻できないという受験生の弱みにつけこんだ卑劣な痴漢行為にどのように対策していけばいいのか。「共通テスト痴漢撲滅アクション」主導メンバーで作家のアルテイシアさんと、啓発漫画を書いたイラストレーターの志水恵美さんに、痴漢撲滅への思いを聞いた。

「試験当日は痴漢し放題」「痴漢チャンスデー」といった書き込みは以前からあり、書き込みだけでなく実際に被害にあったという体験談が多数寄せられるなど、大きな社会問題となっている。2021年、兵庫県在住の女性が関西の鉄道各社に対策を申し入れ、その後兵庫県議会議員やインフルエンサーを巻き込みアクションが本格化。22年には鉄道各社や警察が連携した実態調査や対策強化、痴漢防止のアナウンスなどがなされ、共通テスト当日に「痴漢祭り」がトレンド入りするなど、痴漢撲滅の機運が醸成されている。

「大学入試に合わせた痴漢予告の書き込みは長らく放置されてきた。緊張やプレッシャーを抱えている受験生にとって、このような書き込み自体が加害。平常心を奪い女性を委縮させるもので、許せません」とアルテイシアさん。志水さんも「痴漢を警察に突き出したとしても、調書を作成するのに数時間はかかる。大学にもよりますが、痴漢被害で遅刻した際、それを理由に再試験を申し出ても受け入れてもらえないこともある。社会全体がそこまで想定していないというのが現状です。もっと被害の実態を知ってもらえたら」と訴える。

 弱い立場の受験生を狙った卑劣な痴漢行為。被害を未然に防ぐため、社会全体で強いメッセージを発信していくことが必要だ。

次のページへ (2/2) 【画像】志水恵美さんによる「共通テスト痴漢撲滅アクション」の啓発漫画
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