首都圏の中学受験が10日スタート 志願者1万2000人超「滑り止めの星」栄東が人気を集める理由

首都圏の先陣を切って埼玉県内の私立中学校の一般入試が10日、始まった。3年目を迎えた新型コロナ禍の中、さいたま市見沼区の栄東中には早朝から大勢の受験生が集まり次々と試験会場へと歩を進めた。保護者も「頑張って!」と声をかけながら見送り、控室となった体育館で我が子の合格を祈った。

首都圏の先陣を切って入試が行われた栄東中学校【写真:ENCOUNT編集部】
首都圏の先陣を切って入試が行われた栄東中学校【写真:ENCOUNT編集部】

名物の入試応援看板に変化が 男子生徒と女性生徒の位置が入れ替わる

 首都圏の先陣を切って埼玉県内の私立中学校の一般入試が10日、始まった。3年目を迎えた新型コロナ禍の中、さいたま市見沼区の栄東中には早朝から大勢の受験生が集まり次々と試験会場へと歩を進めた。保護者も「頑張って!」と声をかけながら見送り、控室となった体育館で我が子の合格を祈った。

 栄東は例年延べ1万人以上の受験生を集める全国最多のマンモス受験校として知られており、東京の男女御三家をはじめとする超難関中学を目指す受験生とその保護者の間で人気の高い“前受け校”となっている。「お試し受験」の最初のチャレンジ校となるわけだが、昨年は東大14人、東京医科歯科大3人、東北大16人、千葉大14人、早稲田144人、慶応78人、上智26人、東京理科213人という合格実績をたたき出すなどあなどれない水準の実力校なのだ。

 今年の出願状況(7日基準)はA日程の10日が5163人、11日が2717人、東大特待の12日の4教科が1397人、 算数1教科が141人、B日程の16日(帰国生Bを含む)が2560人、18日の東大Ⅱが647人、総計1万2625人となっている。A日程の募集人員は140人(東大クラス40人、難関大クラス 100人)だが、昨年は両日合計で約4700人という大量の合格者を出しており、実質倍率はおおよそ1.5倍で推移している。

 栄東中が人気を集めている理由は得点開示だ。受験料は2万5000円で2回出願でき、3回、4回出願する場合はプラス5000円で4回まで出願できる。この試験が模試の代用となるため受験生にとっては自身の現在の学力を確認することが可能だ。A日程の試験科目は国語(100点)、算数(100点)、社会・理科(計100点)で、合格発表は12日午前10時。合否のほか各科目の全受験生平均点、受験生の得点、順位、東大クラスと難関大クラスの合格最低点がデータとして提供されるため、今後の第一志望、第二志望を決める際の目安となる。また今年の最終入学手続きは併願校の合否結果が出そろう2月10日までというのもありがたい。親にとってさらにありがたいのは、同校には給食があること。親が早朝から弁当を作る手間が省ける。また、同中高のクイズ研究部は、NHK「未来王2030」で全国準優勝、日本テレビ「高校生クイズ2022」で全国ベスト6に輝くなど活躍している。クイズ研究部に所属して東大を目指す生徒もいるようだ。

 さて、栄東の入試といえば、当日に掲出される受験生応援看板が有名だ。そこには「受験生の皆さんへ 栄東を受験してくれてありがとうございます! コロナに負けずに頑張ってください 桜咲く4月にお会いしましょう 教職員一同お待ちしています!」と書かれており、笑顔を浮かべる生徒のイラストにほっこりする。このイラストだが、昨年は男子生徒が上、女子生徒が下の位置に描かれていたが、今年は逆になっており、女子生徒が上、男子生徒が下となっていた。

次のページへ (2/2) 【写真】昨年掲出された栄東の「ありがとう」看板
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