コンビニ大手が明かすごみ“無法地帯”「対応に困っている」  処分費用、家庭ごみとの線引きは?

コンビニエンスストアでのごみ捨てを巡り、悪質なマナー違反が問題化している。後を絶たない家庭ごみの持ち込み。非常識なごみ投棄の実例として、使用済み紙おむつに加え、駐車場に古タイヤや壊れた自転車などの粗大ごみ遺棄も……。大手コンビニチェーンの事業者側が実態を明かした。

コンビニ店舗への家庭ごみ持ち込みは社会問題化している(写真はイメージ)【写真:写真AC】
コンビニ店舗への家庭ごみ持ち込みは社会問題化している(写真はイメージ)【写真:写真AC】

使用済み紙おむつや粗大ごみまで…対策方法について聞いた

 コンビニエンスストアでのごみ捨てを巡り、悪質なマナー違反が問題化している。後を絶たない家庭ごみの持ち込み。非常識なごみ投棄の実例として、使用済み紙おむつに加え、駐車場に古タイヤや壊れた自転車などの粗大ごみ遺棄も……。大手コンビニチェーンの事業者側が実態を明かした。

 家庭ごみ・一般ごみのモラルなき投棄は、社会問題とも言える。「コンビニ店舗設置のごみ箱に家庭ごみを持ち込んで捨てることはお控えいただきたいです」。大手コンビニ担当者の悩みは深刻だ。

 ENCOUNT編集部の取材に対して回答。困ったごみの実際のケースとして、「たばこの吸い殻の入ったペットボトル(リサイクルの支障になります)、使用済み紙おむつ」。それだけではない。「ごみ箱ではありませんが、駐車場などに古タイヤや壊れた自転車などの粗大ごみを遺棄。ごみ箱ではありませんが、壊れた傘を傘立てに遺棄などです」。悪質極まりない。

 一般的に、コンビニのごみ箱に捨てられるごみは事業系一般廃棄物として店側が費用を払って処分しているといい、「自治体の許可を受けた収集運搬会社と契約し、ごみを回収してもらい、自治体の焼却処分場および民間の処分場などで適切に処分しています。収集運搬費用と処分費用を店舗が負担しています」とのことだ。

 ここで少し気になるのが、“線引き”だ。例えば、一度そのコンビニ店で買った商品(食品)を家に持ち帰って開封して食べる。そのごみについて、購入したコンビニに戻って捨てる行為に問題はあるのか。

 コンビニ関係者は「店頭に設置しているごみ箱につきましては、購入いただいた商品を店前や店舗の駐車場で消費された際に発生するごみを捨てていただくために設置しております。そのため、一度持ち帰られたものは『家庭ごみ』と認識しています」と回答した。

 それでは、事業者として、家庭ごみ持ち込み対策にどう取り組んでいるのか。家庭ごみを捨てる人へのペナルティーや警察への通報といった手段も考えられる。

「店舗によって異なりますが、ごみ箱を店頭から店内への移設、ごみ箱への家庭用ごみ持ち込みをお断りする啓発ステッカーの掲出などを実施しております。ペナルティーや警察への通報などについて、個別事案の情報は入ってきていませんが、店舗側が対応に困っているという報告はあります」

 コンビニはごみ箱ではない。利用者個人個人がより一層注意することも重要で、社会的な解決が求められている。

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