【RIZIN】榊原信行CEOが明かす2023年の野望「未来―メイウェザーを超えるマッチメイクを」

格闘技イベント「湘南美容クリニック presents RIZIN.40」(ABEMA PPVで全試合を完全生中継)は大みそかにさいたまスーパーアリーナで開催される。「Bellator」との対抗戦など格闘技ファン垂ぜんのカードがそろった今大会。ENCOUNTでは榊原信行CEO(※榊=木へんに神)にインタビューを実施し、マッチメークの裏側、2023年への展望などを聞いた。

インタビューに応じた榊原CEO【写真:石渡史暁】
インタビューに応じた榊原CEO【写真:石渡史暁】

RIZINのトップを直撃、緊急参戦の平本蓮vs「X」は「間違いなく面白いカード」

 格闘技イベント「湘南美容クリニック presents RIZIN.40」(ABEMA PPVで全試合を完全生中継)は大みそかにさいたまスーパーアリーナで開催される。「Bellator」との対抗戦など格闘技ファン垂ぜんのカードがそろった今大会。ENCOUNTでは榊原信行CEO(※榊=木へんに神)にインタビューを実施し、マッチメークの裏側、2023年への展望などを聞いた。

 最後の最後に平本蓮の参戦も決まって、今年もなんとかRIZINらしいカードをそろえられたかなと思っています。朝倉海も出てきてくれたら、締まったなという気はするんですけど、あまり欲張っても仕方ないので。海の復帰カードは来年に楽しみが一つ持ち越せたかなと。

 今回の交渉もめちゃくちゃ大変でした。決まりかけたカードが決まらなかったり。記者会見でも少し触れましたが、BreakingDown側とも話はしていて出てくれたら面白かったんじゃないかなとは思っていますけど、ルールの問題だったり、調整しなければいけない部分がたくさんありました。

(RIZINに)出たいっていう選手はたくさんいて、僕らも出てほしいと思う選手はたくさんいて、ただ当然、対戦相手だったりタイミングとか、いろんな問題ですんなりフィットしないという事もあって。話題性だけでは決まっていかないこともありますから。

(平本)蓮へのオファーは本当に直前でした。こういう形(ボクシングに準じたルール)だったら出られるんじゃないかと。本人も大みそかを盛り上げたいよねっていうところでは共通していて、直接会って、いくつかアイデアを出す中で「それ面白そうですね。盛り上げるためにやりましょう」っていう感じでした。相手の「X」は当日入場してくるぎりぎりまでわかりませんが、ただ間違いなく面白いカードになると思いますよ。

(朝倉)未来は9月の超RIZINでのメイウェザー戦のダメージもありましたし、大みそかは間に合いませんでしたけど、もちろん今後もRIZINのリングに上がってほしい選手です。RIZINでの活躍があって、彼の格闘家としての人気というものが、みんなに届いたというのはあると思うので、来年は間違いなく何試合かするとは思っています。その中で彼が引退を決意するかどうかというところはしっかりと本人と話をして、決めていけたらと思っています。

 未来はRIZINからのオファーが遅いというような事も話しているようですが、僕としては9月25日のメイウェザー戦の前から大みそかのオファーはしていますので、遅くはないと思いますよ。それで未来側から、「(メイウェザー戦が)終わってからにしてください」って言われて。もうそのタイミングでは(オファーは)していますから。ただ今回の大みそかでいうと、やっぱりメイウェザー戦のダメ―ジで頭痛も抜けなかったりしたというのもあって、そういった部分も大きな理由だとは思います。

 今年はBreakingDownなど“喧嘩自慢”コンテンツが流行しました。自分たちがやろうとは思わないですけど、昔のあの「ガチンコファイトクラブ」にしても、世の中の人たちってやっぱり人が争ってることに興味を引かれるんじゃないかな。街の喧嘩だって、ちょっと遠まきでやじ馬ができるわけで。そういうのってみんな好きだから、まぁそれはそでいいんじゃないですか。

 あそこをステップにしてRIZINに出てくるような選手がいてもいいと思います。過去で言えばアウトサイダー出身の選手が数多くRIZINに上がっています。ただRIZINに上がってくるということは、それなりに格闘家としてのスキルとか、フィジカルとか、ルールへの適用も含めて、一定のレベルには達してないと、なんでもありってわけにはいかないので。

パッキャオの参戦可能性にも言及「可能性はあると思いますよ」

 2023年へ向けて、この大みそかがRIZINとしても一つのピークではあるんですけど、夏くらいにもう一つ山を作りたいと思っています。今年は未来とメイウェザーのエキシビションがあって、非常に話題性もあったと思うので、あれに匹敵するようなスペシャルなマッチメイクができればと考えています。

 パッキャオも可能性はあると思いますよ。先日は韓国でもエキシビションをやりましたし、僕も現地で見て、まだ全然やれるなという感じはありました。9月の「超RIZIN」にも本人が来場して観戦していますし、ボクサーだけではなくて、レジェンドクラスのMMAファイターとかもね。契約の問題もあったりはするんですが、僕らもRIZINに出たいという海外の選手から売り込みがあったりするので、そういう選手たちの試合をうまく組み上げてもいいかなとも思っています。

 今年は那須川天心も、朝倉兄弟もいない久しぶりの大みそかです。過渡期というか、戦う舞台である以上は常に主役は入れ替わるものだし、そこに何年もずっとトップアスリートとして君臨するっていうのは大変なこと。海にしても未来にしても、この大みそかにはうまくタイミングが合わなかっただけで、RIZINのトップを担うってことは変わらないと思いますよ。

 他のスポーツもそうですけど、スタメンがけがをしたり、不在の間にサブの選手が輝いて、ポジションを奪ったりっていうのはよくあることなので。今年で言うと、7月の沖縄大会でメインの海がけがで出られなくって、代わりに蓮がメインで上がった。蓮は今年の3大会でメインを務めているわけです。そうやって新しい選手がまた次から次と、この舞台の中から生まれてくると思います。

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