コロナ禍で収入激減、東京五輪開会式のチケット保持者の悲鳴「すぐにキャンセルしたい」
新型コロナウイルスの感染拡大で、日本列島を未曾有の経済不況が直撃している。
こんな高額のチケットを保持していても…
新型コロナウイルスの感染拡大で、日本列島を未曾有の経済不況が直撃している。
政府はすったもんだの末、国民1人あたり所得制限なしの一律10万円の支給で調整しているが、それだけではカバーできないと嘆く労働者は多い。大手フリマサイトには収入を絶たれた人が現金を得るため、高額な楽器や皮ジャンなどを出品する動きが出ている。
そんな中、背に腹は代えられぬと、東京五輪のチケット売却を決断した人もいる。
神奈川・川崎市に住むAさんがため息交じりに語った。
「どうなるか分からないのに、こんな高額のチケットを保持していても手放したほうが楽。キャンセルできる段階になったらすぐにしようと思っています」
昨年6月、Aさんは喜びの絶頂に浸っていた。ダメもとで申し込んだ東京五輪の開会式のチケットが当選したのだ。
券種はB席で、2枚で48万4000円。五輪のチケットの中でも特に入手困難とされるプラチナチケットだけに、家族全員で本番を楽しみにしていた。
しかし、コロナの感染拡大で、東京五輪は1年延期となった。
順調だった仕事も生活苦に転落した。
Aさんの職業は要人専門の運転手。さらに売り上げを伸ばそうとしていたところを、コロナ禍と外出自粛の呼びかけにより顧客が離れ、収入は激減した。クレジットカードで決済した48万4000円は今、のどから手が出るほど欲しい金だ。
東京五輪組織委員会によれば、チケットの払い戻し方法の「詳細は未定」。ネット上では、組織委が否定しても「中止なら払い戻し不可になる」と危惧する声が絶えない。もしそうなれば、さらに追い打ちをかけることになる。
「一時、チケットのキャンセルが効かないってニュースになった。そんなことになったら発狂したくなる」
今後、どうなるか分からないスポーツの祭典。Aさんは先行き不透明な日々に悶々としながら過ごしている。