絵本専門士・吉田明世アナ、広告代理店勤務の夫と初の絵本「言葉の持つ力を知ってほしい」

TBS出身でフリーアナウンサーの吉田明世(34)が初めての絵本「はやくちよこれいと」(インプレス)を出版した。広告代理店勤務の夫カタスケさんとの共著で、アニメーション作家として知られる今津良樹氏がイラストを手掛けた。保育士、絵本専門士などの資格を持つ吉田が届けたい思いとは?

初の絵本について語った吉田明世【写真:荒川祐史】
初の絵本について語った吉田明世【写真:荒川祐史】

アナウンサーの教科書「外郎売」をモチーフに初の絵本

 TBS出身でフリーアナウンサーの吉田明世(34)が初めての絵本「はやくちよこれいと」(インプレス)を出版した。広告代理店勤務の夫カタスケさんとの共著で、アニメーション作家として知られる今津良樹氏がイラストを手掛けた。保育士、絵本専門士などの資格を持つ吉田が届けたい思いとは?(取材・文=平辻哲也)

「はやくちよこれいと」は親子で一緒に楽しめる早口言葉の絵本。アナウンサーなど声のプロも練習で使う「外郎売(ういろううり)」の長せりふを子ども向けにアレンジ。主人公は、遠い不思議の国からやってきた、チョコレートの魔人。この「はやくちよこれいと」を一粒食べれば、楽しくて、難しいリズミカルな言葉遊びの世界に誘われていく……。

「歌舞伎の『外郎売(ういろううり)』はアナウンサーの研修本に載っていて、みんなが丸暗記して発声練習とか滑舌の練習するんですが、意外とどんなお話か知らないなぁと思ったんです。大人も子どもも楽しめる現代版を作ろうと、外郎をチョコレートに変えて、子どもに愛されるキャラクターにしてみました」

 初の絵本は2016年10月に結婚した広告代理店勤務の夫・カタスケさんとの共著。「夫はモノを作る仕事をしていますし、日々言葉と向き合っています。私も言葉を仕事にしているので、テーマはすぐに決まったんですね。言葉は時にナイフのように人を傷つけることもあるし、背中を押すこともあります。今はSNSが発展して、みんなが自分の言葉を発信できる時代だからこそ、言葉の持つ力を知った上で大人になって欲しいという思いがありました」と明かす。

 吉田夫妻の物語を絵として具現化したのは、サザンオールスターズやMr.Childrenのミュージックビデオでもアニメーションを担当する今津良樹さん。「自分の中にあるイメージをイラストレーターさんに伝える作業の難しさは感じました。素晴らしい方だったので、自分たちがお願いした以上の完璧に仕上がりで、これ以上ないものができたなと自負しています」と自信を見せる。

 アナウンサーながら、保育士の資格も持ち、20年3月には「絵本専門士」の資格も取った吉田。題材に「外郎売」を選んだのは原点に立ち返ろうという思いだった。

「絵本専門士になるために勉強しているときも、まさか自分が絵本を作るとは思っていなかったんです。2020年2月ぐらいに講義が終わって、いよいよ活動しようとワクワクしながら、絵本の読み聞かせイベントを企画したんですが、その後すぐにコロナ禍になってしまい、イベントを泣く泣く中止せざるを得なかったんです。その後は対面でのイベントは難しく、かといって、オンラインで絵本の読み聞かせイベントやろうと思っても権利の関係で難しく……。だから、自分が絵本を作ったら、好きなところでみんなに読み聞かせできるな、と思ったんです」。今後はこの「はやくちよこれいと」を携え、日本全国を回るつもりだ。

□吉田明世(よしだ・あきよ)1988年4月14日、東京都出身。2011年TBSにアナウンサーとして入社。19年フリーアナウンサーとなり、現在はラジオパーソナリティー・テレビ・イベント出演・モデルなど、多彩に活躍。プライベートでは2児の母。2020年に絵本専門士の資格を取得。保育士の資格も持つ。ほかの資格は漢字検定2級・ニュース検定2級・秘書検定2級。趣味:旅行・ドラマ鑑賞・アプリ漫画鑑賞・娘を寝かしつけたあとのネットショッピング。

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