忘れられない韓国ドラマの主題歌で、いまだに脳内リフレインする楽曲がある。韓国の大ヒットドラマ「梨泰院クラス」のメインテーマである「はじまり（邦題）」は、2020年にドラマが放送されたと同時に、ドラマとともに、全世界へと羽ばたいた曲だ。

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　歌うのは、シンガー・ソングライターのGaho（ガホ）。現在は25歳、「はじまり」を歌っていた当時は23歳という若さで、ドラマがNetflixで全世界に配信されるいなや、一躍有名になった。

　だがその実は、楽曲を歌うことになった“はじまり”はたったひとつの偶然から、だという。

「以前、他のドラマのOST曲（サントラ曲）を通じてご縁があったOST制作陣を通じて、梨泰院クラスのOSTの提案を受けたんです。ギリギリなスケジュールでレコーディングをしなければならない状況のなか、現場で曲のキーと雰囲気、声のトーンと合うことを確認した上での参加を決めなければならず……。幸いなことに、プロデューサーの方が曲と私の声のトーンがよく似合う！　と喜んでくださって、曲のキーも問題なく消化できたため、すぐにレコーディング作業へと移ったのです」

　梨泰院クラスは、今年の夏、日本でも「六本木クラス」（竹内涼真主演）という邦題で、ジャパン・オリジナル版としてリメーク。メインテーマの曲には、やっぱりGahoの「はじまり」が採用された。歌うのは、日本の男性3人グループ「THE BEAT GARDEN（ザビートガーデン）」、日本語でカバーされたバージョンは、「韓国オリジナルの曲と同じなの！？　この歌が大好きだから、すごく嬉しい」と視聴者からの反響が集まった。その後、THE BEAT GARDENとコラボして歌うフューチャリング動画も披露された。

「YouTubeではすでにコラボしていたのですが、この12月に、日本テレビの音楽特番『ベストアーティスト』で初めて、生放送でTHE BEAT GARDENさんと一緒に歌わせていただきました。その時は、僕は韓国で撮影した映像を日本の番組で流す形だったんですけど、とても素敵だったと感じます。日本のスタッフさんが撮ってくださった韓国の映像もきれいでした。また嬉しかったのは、スタジオでMCを担当していた嵐の櫻井翔さんが、『Gahoさんの登場です！』と僕の名前を呼んでくれたこと（笑）。櫻井さんといえば、すごく韓国でも人気が高く、僕もとても好きなアーティストなので。そして、その直後、ふいに日本に来日する機会ができたのですが、実際にTHE BEAT GARDENさんとお会いできたので、それも感動的な素晴らしい出来事でした。言葉は違うけれど通じるものがあって、次は一緒に音楽を作る作業をしたら楽しいのでは、とワクワクしています」

　日本が大好きだと語るGaho。それも小さい頃から、L’Arc～en～Ciel（ラルクアンシェル）やマキシマム ザ ホルモンの音楽に影響され、高校時代から楽曲作りを始めたというほど、コアだ。

「嘘じゃなく、本当に日本が好きです（笑）。日本の音楽も好きですが、ご飯がおいしくて、かっこいいファッションにも溢れています。今回、来日することができて、とにかくいろんなところを見たい、と東京を歩きました。東京はただ歩いているだけで楽しかったですね。でも、やっぱり一番印象に残っているのは、ご飯。お寿司をたくさん食べてハイボールをたくさん飲みました。もともとお酒はそんなに好きではないのに、日本のハイボールは気軽に飲めます。東京バナナもお土産に5箱、買いました（笑）。韓国の友だちが、東京バナナが大好きだから。本当に日本は楽しいです」

　中でも、飛び上がるほど驚いたエピソードがあったという。

「渋谷を歩いていたら、いきなり街中でどこからともなく『はじまり』が流れてきたんです。それも僕のバージョンです。本当に嬉しい。他にも、道で声をかけてくださった方がいたり、空港でプレゼントをくださった方もいます。SNS以外で、実際に日本のファンの方たちとお会いできて、とても感動しています」

　それでも、残念な気持ちがまだあると続ける。

「僕は音楽をする人なので、音楽を聴かせたかったんです。音楽番組にも実際に出演したかったし、日本でのオフラインライブもしたい。フェスにも出たいし、とにかく音楽的疎通をもっとしたいんです。だから、今からたくさん準備をします。日本のみなさん、2023年は、必ず日本の会場でお会いしましょう！」

　Gahoの生ライブが楽しみだ。

□Gaho（ガホ）1997年9月14日生まれ、25歳。2018年にデビュー。幅広く様々なジャンルの曲を展開するシンガー・ソングライター。心に響く声の音色と透き通る高音、優れたライブパフォーマンスに定評がある。数多くのドラマOSTにも参加し、世界で人気を博している。