コロナに感染した医療従事者兼ホステスのシングルマザーが隔離施設から独白
隣の病室から泣き声が聞こえてきて…
4月の2週目に入院。新型コロナウイルスに特効薬はない。病院からは、吐き気のある時に使う薬を前もって処方され、さらに「高熱時の薬」「便秘時の薬」「不眠不穏時の薬」の3種類を処方された。
軽症だったAさんは治療について「特になかった」と振り返る。
医師とはナースコールで会話することになっており「音が小さく、何言っていたかわからない」。
一方で、病室に出入りする看護師は、感染防止を徹底していたという。
完璧な防護服ではなかったものの、普段の看護服の上に水色の薄い布を着用。手袋をはめ、透明のフェイスマスクをつけていた。
布や手袋などは、看護師が病室から出る際に着脱。病室内の汚染物入れに入れ、病室内のアルコール消毒で消毒し、新しい手袋をつけて退出していた。医療従事者のAさんから見ても「感染しないように徹底していた」。
入院期間中は、「家族と電話したり、携帯でAmazonプライムやHuluを見て過ごしました」。友人にもコロナにかかったことや、症状を伝え、近くに同じような症状の人がいたら教えてあげるように助言した。
部屋は個室だった。
3日後、入院していた病院が重症患者のみの受け入れに変わり、Aさん自身も病状が安定していたので療養施設へ移動となった。
「病室は個室といっても隣の病室の音漏れがすごくて、横の方の咳や泣き声が聞こえていたので、それから解放されると思った」
心休まると思っていた療養施設。
しかし、Aさんが入院した当日、少人数だった患者は、翌日の午後には20人に増えた。「安心はできないと思った」。
現在も同施設で陰性になるのを待つAさん。「隔離」という非日常の中で、何を感じているのか。
自身の健康については「隔離されるため、家族とも会えず、特にすることもない。私はかなり軽症で、味覚嗅覚障害のみなので、特にこれといってないです」。一方で、経済的な影響については「貯金を切り崩すしかない」と焦燥感をにじませる。