「鎌倉殿の13人」はなぜ支持されたのか コミカル要素に現代語…三谷幸喜氏の愛と情熱
NHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の最終回(第48回)が18日に放送されたが、ネット上では、第47回の放送中からすでに「『鎌倉殿の13人』ロス」という文字があった。それだけ視聴者の心を強く揺さぶった作品だった。多くの人に支持された背景には、キャストの素晴らしい演技やスタッフの奮闘もあるが、三谷幸喜氏の大河ドラマへの情熱も大きい。
作品振り返り視聴者から多くの支持を得た背景を考察
NHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の最終回(第48回)が18日に放送されたが、ネット上では、第47回の放送中からすでに「『鎌倉殿の13人』ロス」という文字があった。それだけ視聴者の心を強く揺さぶった作品だった。多くの人に支持された背景には、キャストの素晴らしい演技やスタッフの奮闘もあるが、三谷幸喜氏の大河ドラマへの情熱も大きい。
2020年1月、三谷氏は都内のNHKで行われた「鎌倉殿の13人」の会見に出席し、ホワイトボードを使って作品の解説を行い、大河ドラマについて「こんなに面白いワクワクするテレビドラマはないという信念を持っている」「自分にとっての集大成、最高の大河ドラマにしたい」と意気込みを語っていた。「鎌倉殿の13人」はそんな思いを強く感じる魅力あふれる作品だった。あらためて「鎌倉殿の13人」が視聴者に支持された背景を考察した。
作品の魅力の一つは、バランス良くコミカルな要素を作品に織り込み、視聴者を毎回のようにくすっと笑わせていたこと。2つめは、現代語をバランスよく活用していた。おかげで大河ドラマに対し、堅苦しさや難しさを感じる若い世代にも分かりやすく親しみやすい作品になったと思う。この2つについて、作品への織り込み方が絶妙なバランスだったおかげで、重厚感が薄まることなく大河ドラマらしい雰囲気もしっかり感じられた。
さらに、もう一つは三谷氏のキャストへの愛情。関係者によると三谷氏は、日ごろ演じてくれる俳優に役を喜んでほしいと考えているという。大河では、多くの登場人物それぞれにきちんとスポットライトがあてられ、演じる俳優も喜ぶような感動的な見せ場もあった。これが1年間と長く放送される作品の中でいいアクセントになり、視聴者をワクワク、ドキドキさせ、作品の盛り上がりにつながったように感じる。出演者からはいい役をもらえた、いいシーンをもらえたと三谷氏に感謝する多くの声が聞こえてきた。視聴者には、この作品を通じて初めて知ったり、知識が深まった登場人物もいたのではないだろうか。
ほかにも三谷氏ならではの良さが発揮されたと思うが、「鎌倉殿の13人」は三谷氏の大河ドラマへの情熱が形になった作品だったと感じる。