新幹線で窓側に座っているが、隣の乗客がゲームに熱中しているため席を立ちづらい――。そんな経験は1度や2度あるのではないだろうか。つい最近も、新幹線の座席の使い方を巡る、お笑いコンビ「アイデンティティ」の田島直弥のツイッター投稿が大きな議論を呼んだ。新幹線を運営する鉄道会社に座席マナーや困った場合の対応について聞いた。

　アイデンティティ田島は今月9日、新幹線に乗車中の出来事についてこう投稿した。

「すいません…詳しい方、、ポケモンカードってどれぐらいでゲーム終わりますか…？

　新幹線の3列席の窓側に座ってるんだけんど、真ん中と通路側の奴が知り合い同士でテーブルにカード拡げて対戦始めやがった。

トイレ行けねぇぇぇーー。。
プレッシャ～～。。」

　さらに、補足の投稿も。「実は仕事の関係上、チケットは先方から渡されるので自分で席を選んでるわけじゃないんです。。マナーの悪い人が隣に来るのは仕方のないこと(運が悪かった)と諦めますが、被害を被る側が自業自得ということは絶対にないと思ってます。何故ならマナーが悪い方が100%悪いので」と言及した。

　反響が拡大。ネット上では「僕はカードゲーマーですが、こういう人たちのせいで普通のプレイヤーまで偏見を喰らうのはとても心外です」「単純に通路を塞ぐのは迷惑ですね」「そもそもの話ですが、新幹線でカードゲームする発想がおかしいと思った！」「普通に言えばいいんだろうけど、気を使っちゃう気持ちも凄く分かる」「俺は気にせず余裕で行くけど　何に気を使う必要があるの？」「普通に行けば良いのに……」など、賛否両論の意見が多数上がっている。カードゲーム自体を悪く言うのは的外れだろう。ただ、どの場面でどう遊ぶかというマナーの問題として議論が活発化している。

　今回のように、新幹線の座席を巡り、他の乗客が複数人でゲーム遊びをしていたり、1人の乗客であってもテーブルを広げてパソコンで仕事に集中していたり、飲食物を置いてお酒を飲んで“宴会”を始めるなど、移動をふさいでしまうような行為は、日常的にも見受けられる。

　ENCOUNT編集部の取材に、東海旅客鉄道株式会社（JR東海）が答えてくれた。

　一般的な見解として、「お客様同士で譲り合ってご利用いただくようご協力をお願い申し上げております」と回答した。

　基本的には、客個人の節度や常識に委ねられる側面はあるだろう。同社の取り組みについては「車内では、車掌や（ワゴン販売などを行う）パーサーが巡回し他のお客様にご迷惑をおかけすることのないように、マナー面でのご協力をお願いしております。また、他のお客様のご迷惑となるような行為を認めた際はお声がけさせていただくなど、快適な車内環境づくりに努めているところでございます」とした。

　もし、新幹線乗車時に隣の客に言い出しづらいケースに遭遇した場合はどうすればいいのか。「車内でお困りのことがございましたら、車掌またはパーサーに遠慮なくお知らせください」とのことだ。

　最後に、啓発の視点から「お客様同士で譲り合ってご利用いただくようご協力をお願いいたします」とのメッセージが寄せられた。

　年末年始の帰省シーズンが到来する中で、新幹線は多くの混雑が予想される。無用なトラブルを避け、マナーを保って乗車したい。