外出禁止令“拒否”の米サウスダコタ州で感染急拡大、2週間で8倍の感染者988人に

新型コロナウイルスの感染拡大で60万人以上の感染者と2万6000人以上の死者を記録しているアメリカ。大半の州が外出禁止令などで感染拡大防止に必死の中、外出禁止令拒否という驚愕の方針を打ち出していたサウスダコタ州で、2週間で感染者が8倍と一気に増加。感染拡大に加え、外出禁止令を「群集心理」と批判していた州知事のKYぶりが波紋を広げている。米紙「ニューヨーク・ポスト」が報じている。

サウスダコタ州のクリスティ・ノーム知事【写真:Getty Images】
サウスダコタ州のクリスティ・ノーム知事【写真:Getty Images】

米紙「ニューヨーク・ポスト」がサウスダコタ州の現状を報じる

 新型コロナウイルスの感染拡大で60万人以上の感染者と2万6000人以上の死者を記録しているアメリカ。大半の州が外出禁止令などで感染拡大防止に必死の中、外出禁止令拒否という驚愕の方針を打ち出していたサウスダコタ州で、2週間で感染者が8倍と一気に増加。感染拡大に加え、外出禁止令を「群集心理」と批判していた州知事のKYぶりが波紋を広げている。米紙「ニューヨーク・ポスト」が報じている。

 全米が拡大防止に必死に取り組む中、サウスダコタ州のクリスティ・ノーム知事の“KYぶり”が物議を醸していて、ニューヨーク・ポスト紙は「サウスダコタで州知事が隔離措置を無視した後、新型コロナウイルスの感染例が急上昇」との見出しで報じている。

 米国では現在、各都市で外出禁止令が発令されているほか、「ソーシャルディスタンス」として、他人と2メートル以上距離を取ることを指示されている。

 しかし、ノーム知事は外出禁止令を「苛烈な手段」「群集心理。リーダーシップではない」と批判。「サウスダコタ州はニューヨーク市ではない」とコロナ禍で最大の被害者を出している大都市とは違うということを強調しているのだ。

 こうした姿勢が感染拡大を進めてしまったようで、ニューヨーク・ポスト紙の記事では「知事が頑固にも外出禁止令の布告を拒否した後、サウスダコタのコロナウイルス件数は急上昇を始めた」と指摘。4月1日時点で同州の感染者数は129人だったが、2週間足らずで988人に。8倍近く増えてしまったという。

 さらに、米国のポーク食品のシェア5%を誇る「スミスフィールド・フーズ」の工場では同国最大級のクラスターが発生。300人が感染し、工場閉鎖に追い込まれた。

「この工場の閉鎖などで、我が国の食肉供給は危険なほどギリギリな状況に追い込まれた」とスミスフィールド・フーズ社のケネス・サリバンCEOが悲痛な声明を発表している。

 米国では、サウスダコタ州、アーカンソー州、アイオワ州、ネブラスカ州、ノースダコタ州の5州は依然として外出禁止令の布告を拒否。対策で足並みが揃わない間に、“コロナの脅威”が全米で広がり続けている形だ。

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