「あいどる活動を始めました」85歳の新人VTuberが突然デビュー、ネット騒然 収録もかんたんに
ネット上に突如、異色の新人バーチャルYouTuber(VTuber)が現れ、話題をさらっている。ツイッターで自らを「ひろこ【メタばあちゃん】」と名乗り、「ひろこ85歳です。現役の後期高齢者です。広島県出身。バカ孫に言われ、あいどる活動を始めました」。なんと、おばあちゃんVTuberが“爆誕”したのだ。しかも、仕掛け人は、生まれた時から一緒に住んでいるという孫。一体何者なのか、直撃した。
「後期高齢者VTuberグループ」オーディション開始 「孤独解決」の存在目指す
ネット上に突如、異色の新人バーチャルYouTuber(VTuber)が現れ、話題をさらっている。ツイッターで自らを「ひろこ【メタばあちゃん】」と名乗り、「ひろこ85歳です。現役の後期高齢者です。広島県出身。バカ孫に言われ、あいどる活動を始めました」。なんと、おばあちゃんVTuberが“爆誕”したのだ。しかも、仕掛け人は、生まれた時から一緒に住んでいるという孫。一体何者なのか、直撃した。(取材・文=吉原知也)
7日昼、ツイッターに「ひろこ85歳です。現役の後期高齢者です」との自己紹介が投稿され、約3.2万件のリツイート、約10.8万件のいいねを集め、拡散され続けている。YouTubeチャンネルも開設。早速ラジオDJに挑戦するなど、エンジン全開だ。
自己紹介動画を見てみると、ピンク色の髪で制服姿のかわいらしい女の子のアバターが和室にいる。「声を変えとるんだろうと思うとる人もいると思いますが、85歳。バリバリの後期高齢者です」「若い頃にできんかったことをメタばあちゃんとして実現していってくれと、孫に言われたので、暴れてやります」と堂々宣言している。おばあちゃんが力強い声でしゃべっており、ギャップが印象的だ。
ネットは騒然。「めっちゃすごい…!!面白い!!」「年齢関係無くチャレンジをするのは素晴らしいですね」「凄い時代になったもんやな」などの驚きの声が寄せられている。
仕掛け人の「バカ孫」さんへの取材が成功。「本当の孫でして、生まれた時から一緒に住んでいます。おばあちゃんに迷惑かけっぱなしの『バカ孫』です」といい、「『バカ孫』本人は恥ずかしがり屋の人間なので、プロフィールは秘密でお願いします(笑)」とのことだ。
気になるのが、撮影方法だ。「具体的な収録方法はファンタジーの世界なのでお伝えしないのですが、おばあちゃん側は簡単に収録できています」。その一部だけ教えてくれた。
しかも、後期高齢者VTuberのデビューだけでなく、「メタばあちゃん」プロジェクトを立ち上げ。新メンバー募集オーディションを開始した。募集要件は「75歳以上の方」で、歓迎要件は「お歌が上手な方」「キラリと光る一芸をお持ちの方」「パワフルなおばあちゃん」など。来年1月11日に締め切り、今後はグループ活動を展開する方針という。
今回、「後期高齢者VTuberグループ」を創設する狙いとは。
「『高齢者は、テクノロジーを理解できないがために、新しい挑戦を諦めないといけないのか』という課題意識がありました。アイドル・テクノロジーは、若い人向けという固定観念を取り払い、テクノロジー(アバターの利用)によって、新しい挑戦の姿を示し、世の中の人たちに『新しい挑戦に年齢は関係ない』ということが伝わればいいなと思っています」と説明した。
高齢化社会の日本で、お年寄りが最先端のテクノロジー分野で活躍することの意義。そこにも信念を貫く。
「日本社会において高齢者と若者の間に隔たりを感じてしまう瞬間があります。ただし、どちらからも聞こえてくるのは『孤独』という問題。悩みを抱えた若者がメタばあちゃんに相談する、そのようにメタばあちゃんは高齢者側と若者側の双方の孤独を解決してくれる存在になるのではと思っています」。メタばあちゃんの知恵袋を生かし、社会に有意義な活動を展開する――。そんな未来像を描く。
そもそも、今回のプロジェクトは「一般財団法人渡辺記念育成財団」(代表 渡邊万由美)が実施するクリエイティブプロデューサーの素養を学ぶための塾「みらい塾」に通う5期生メンバーが中心となって「EverWonder」(クリエイティブディレクター・GReeeeN HIDE氏)のテーマに基づき、企画、推進しているという。
最後に、メタばあちゃん・ひろこさんが“独自コメント”を寄せてくれた。「少しでも『バカ孫』が喜ぶなら頑張ります」。85歳の大きなチャレンジに注目だ。
「一般財団法人渡辺記念育成財団」http://watanabe-mf.or.jp/