「ありがとう日本代表」下町の弁当屋が弁当100食を“無料販売” 粋な計らいのワケ

サッカーのカタール・ワールドカップ(W杯)で日本代表は決勝トーナメント1回戦でクロアチアに敗れ、16強で敗退した。ドイツとスペインを倒すなど感動と勇気を与えてくれた選手たちにはたくさんの「ありがとう」が届けられている。6日、東京の下町・亀戸にある小さな弁当屋では、日本代表に感謝を込めて弁当100食を無料で販売するという大盤振る舞いが行われた。

0円で販売された「日本代表ベスト16記念弁当」【写真:ENCOUNT編集部】
0円で販売された「日本代表ベスト16記念弁当」【写真:ENCOUNT編集部】

サッカー少年だった店主が約8種類の無料弁当を100食

 サッカーのカタール・ワールドカップ(W杯)で日本代表は決勝トーナメント1回戦でクロアチアに敗れ、16強で敗退した。ドイツとスペインを倒すなど感動と勇気を与えてくれた選手たちにはたくさんの「ありがとう」が届けられている。6日、東京の下町・亀戸にある小さな弁当屋では、日本代表に感謝を込めて弁当100食を無料で販売するという大盤振る舞いが行われた。

 太っ腹な感謝企画を実施したのは、総重量1キロというデカ盛り弁当やYouTubeで店内を24時間ライブ中継するなど大胆な企画を次々と打ち出して注目を集める弁当屋「キッチンDIVE」だった。クロアチア戦を控えた5日の午前、SNSに「日本代表がクロアチアに勝ったら1キロ弁当100食無料で販売します」と投稿。1000円を超えるデカ盛り弁当が無料で販売されるということで大きな注目が集まった。

 日本はクロアチアにPK戦の末、敗れた。

 すると、試合終了後の午前3時前に「今日の11時30分から亀戸本店にて お疲れ様感動をありがとう日本代表ベスト16記念弁当100食を無料で販売します」と再び投稿。これには「狙う!行かなきゃ!」といったファンからのコメントも寄せられた。

 店主は大のサッカー好きで、これまでもツイッターのフォロワー数によって「1キロ弁当100円祭り」などを開催してきた。

「小さい頃にサッカーをやっていたので、今回はみんなで喜びを分かち合いたいという思いから『無料祭りをやるよ』と投稿したんです。結果は負けてしまいましたけれど、日本代表に感謝を込めて100食限定で0円祭りをやらせていただくことにしました」

午前11時30分のスタートから20分で約半分がなくなった【写真:ENCOUNT編集部】
午前11時30分のスタートから20分で約半分がなくなった【写真:ENCOUNT編集部】

 この日は小雨がぱらつく厳しい寒さに加え、深夜の試合明けの平日だったこともあり、行列とまではいかなかったが、午前11時30分の販売開始とともに客が店内に押し寄せ、開始から30分たたないうちに約半分がなくなった。

 レジ横に高く積まれた0円弁当の種類は焼肉弁当をはじめ、麻婆弁当、カレー弁当、のり弁、そして「日の丸弁当」と種類も豊富だ。

 通常でも約300円とリーズナブルな価格で販売している弁当とはいえ、100食分0円とは大盤振る舞いすぎないか。

 店主は「原価を抑えているので金額の面に関しては大きな問題はありません。大変なのはいつもより100食分多めに弁当を作るということで、うちの店員も早朝から大変です(笑)。でも日本代表に感動をもらったので、私たちもありがとうの気持ちで作らせてもらいました」と笑顔で話した。

 0円となると、かえって客に抵抗が生まれる可能性もある。だが、列に並んでいた常連客は「ここの店はそういうところが粋なんだよ! それを俺たちもありがたく受け取るの」と店の心意気を受け取った。

 店主はW杯で印象に残った選手について、「やっぱり三笘薫選手ですね。長友(佑都)さんもまだまだお元気で頑張ってらっしゃって。個人的には柴崎(岳)さんが大好きなので見たかったですね」と振り返った。

 今後も、スポーツのビッグイベントを盛り上げていくつもりだ。

「来年WBCがあるので、野球も好きなのでやりたいですね。弁当で応援できたらと思っています」

 正午になると、客からは「まだやってる?」「あった!」という声が店内から聞こえてきた。

次のページへ (2/3) 【写真】クロアチア戦に勝っていた場合の「デカ盛り1キロ弁当」
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