映画「とべない風船」（2023年1月6日公開）の完成披露舞台あいさつが5日、都内で行われ、主演の東出昌大をはじめ、三浦透子、浅田美代子、メガホンをとった宮川博至監督が参加した。

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　瀬戸内海の島を舞台に、家族でも恋人でもない2人の永遠に晴れそうにない心の行方を描く。広島出身の宮川監督が、2018年に起きた西日本豪雨を題材にして作り上げた作品となる。

　島民の憩いの場である居酒屋を明るく切り盛りする女将・マキを演じた浅田は、「マキは島から出ていない人なのでとにかくそれを大事にしたかった」と役作りのポイントを語り、「この作品は家族の大切さを訴えている。私達にとって家族はいて当たり前だけど、もう一度考えてほしい」と観客に呼びかけた。

　三浦は夢だった教師の仕事で挫折を味わい、進むべき道を見失った凛子役。映画「ドライブ・マイ・カー」などの撮影で広島に訪れる機会が多いという三浦は「場所の力を幾度に感じている。凛子は島の空気を吸って地元の人と触れ合って心が変化していく。この場所だったら起こるだろうなって気がしています」と縁のある広島の魅力を語った。

　浅田は、三浦との共演について聞かれると「大好きな女優だったのですごくうれしかった。いままでの芝居を見ていて、新しいものがある感じ、枠にはまっていない感じがして好き。ホントよ？」とにっこり。うれしい褒め言葉に三浦は「光栄です」と笑顔を浮かべた｡