二宮和也、世界で続く争いに「無力さ感じる」 抑留を経験した祖父がつないだ“縁”

俳優の二宮和也(39)が主演する映画「ラーゲリより愛を込めて」が12月9日から全国公開される。二宮が演じた山本幡男は、第二次世界大戦後、ソ連によってシベリアに抑留された約60万人の日本人のひとり。二宮自身の祖父もシベリアに抑留された経験があると語り、出演の依頼に「縁を感じた」と力を込めた。戦争によって生まれた悲劇を忘れないでほしいと願うが、争いが止まない現実には「無力さも感じる」と胸の内を明かした。

生きる希望を失った仲間を鼓舞する(左から)二宮和也、桐谷健太【写真:(C)2022映画「ラーゲリより愛を込めて」製作委員会、(C)1989清水香子】
生きる希望を失った仲間を鼓舞する(左から)二宮和也、桐谷健太【写真:(C)2022映画「ラーゲリより愛を込めて」製作委員会、(C)1989清水香子】

主演映画「ラーゲリより愛を込めて」で抑留された日本人役

 俳優の二宮和也(39)が主演する映画「ラーゲリより愛を込めて」が12月9日から全国公開される。二宮が演じた山本幡男は、第二次世界大戦後、ソ連によってシベリアに抑留された約60万人の日本人のひとり。二宮自身の祖父もシベリアに抑留された経験があると語り、出演の依頼に「縁を感じた」と力を込めた。戦争によって生まれた悲劇を忘れないでほしいと願うが、争いが止まない現実には「無力さも感じる」と胸の内を明かした。(取材・文=西村綾乃)

ドラマ、アニメ、アイドル、K-POP、スポーツ…大人気番組が目白押しのお得キャンペーンを実施中(Leminoサイトへ)

 映画は「男たちの大和」などの原作で知られる辺見じゅんのノンフィクションを映像化したもの。第二次世界大戦終了後、シベリアの強制収容所・ラーゲリの過酷な環境の中で、家族を思い、仲間を鼓舞して生きた山本幡男の半生を描いている。

「実は僕の祖父は抑留されていた経験がありました。戦争は国と国とのもめごとなのに、そのしわ寄せは庶民に来る。出演を決めた一つの理由は、その悲劇を忘れないでほしいという思いがありました」

 不当に抑留され、零下40度を超える極寒のシベリアで、労働を強いられた。わずかな食料を分け合う中では、同胞の裏切りもあった。

「撮影は雪が積もる厳しい寒さの中で行いました。撮影の前には食事制限もして、このくらいの見た目なら説得力があるかなと思いながら調整していました。山本は途中でラーゲリから病室に移るので、ずっと過酷だったわけではなくて。ラーゲリでの撮影が多かった松坂(桃李)さんやケンティー(中島健人)たちは、本当に大変だったなと思います」

 ラーゲリで繰り返される日々。山本は「生きる希望を捨ててはいけません。帰国(ダモイ)の日は必ずやって来ます」と仲間を励まし続ける。

「山本は『希望の人』とよく言われるのですが、僕は実は山本が一番ネガティブに事実を見ていたのではないかと思います。『死にたくない』『仲間が自分を売るかもしれない』という気持ちも山本は人一倍強かったんじゃないかって。だから、そのネガティブな気持ちを払しょくするように、仲間を励ましていたのではないかと思います。励ますことで、自分を奮い立たせて精神のバランスを取っていたんじゃないかなって」

 撮影後にロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まったことは、ショックだったと語る。

「国と国との争いである戦争。でもその影響は一般市民が真っ先に受けますよね。そんな悲惨なことを引き起こす戦争を起こしていいのかと思っていたときに、ロシアの侵攻が始まって。ウクライナの子どもたちをロシア兵が強制的に連れて行ったという一報を知ったときは、無力さを感じました。祖父は幸い日本に戻ることができましたが、命を落とし、どこか分からないところに骨を埋められたままの人もたくさんいらっしゃる……。戦後77年がたったいまも、傷が癒えていない人も多い。その中で、同じような悲劇が繰り返されてしまったことに憤りがありました」

 病魔におかされていく中でも、生きることを諦めなかった山本。二宮が、生きる上で大切にしていることは。

「問題が起きたときは、良い面も悪い面もフラットな気持ちで見るということです。ストレスを溜めないように、言いたいことは、言わせていただいてきましたが、そこには責任も伴っている。これを言ったらどんな反応になるか。常に自分を客観的に見るようにもしています」

「嵐」のメンバーとして1999年にデビュー。アイドルとしてはもちろん、役者としても大活躍してきた。

「派手な世界に身を置いていますが、僕自身は派手ではなくポジティブな人間でもないんです。世の中って暗いよりは明るい方が良いよねとか、なんとなく相場が決まっていますよね。嵐としてやりたいことと、応援して下さる方々が見たいものが合致していたから、ここまで活動を継続することができたのかなと思っています」

□二宮和也(にのみや・かずなり)1983年6月17日、東京都生まれ。99年にアイドルグループ「嵐」のメンバーとしてデビュー。ドラマ、映画、バラエティーなど大活躍している。2015年公開の映画「母と暮せば」で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞。MCを務めるバラエティー番組「ニノさん」(日本テレビ系、毎週日曜・午前10時25分~)にレギュラー出演中。21年に開設したYouTubeチャンネル「ジャにのちゃんねる」は、362万人の登録者数を誇る。

トップページに戻る

あなたの“気になる”を教えてください