米サウスダコタ州知事が外出禁止令を拒否「安全は主に自己責任」 批判集まり、波紋広がる

新型コロナウイルスの感染者、死者の数がともに最多となり感染拡大に苦しむアメリカ。ニューヨーク州など多くの州で外出禁止令が出されるなど感染拡大防止のため尽力している。しかし、一方でサウスダコタ州知事が外出禁止令の発令を拒否したことが波紋を呼んでいる。

サウスダコタ州のクリスティ・ノーム知事【写真:Getty Images】
サウスダコタ州のクリスティ・ノーム知事【写真:Getty Images】

ノーム州知事の対応に批判集まる「常識が無い」「愚か」「酷い」

 新型コロナウイルスの感染者、死者の数がともに最多となり感染拡大に苦しむアメリカ。ニューヨーク州など多くの州で外出禁止令が出されるなど感染拡大防止のため尽力している。しかし、一方でサウスダコタ州知事が外出禁止令の発令を拒否したことが波紋を呼んでいる。

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 米紙「ワシントン・ポスト」は13日(日本時間14日)、「サウスダコタ州知事が外出禁止令の発令を拒否」との見出しでクリスティ・ノーム州知事の“衝撃”の対応を報じた。

 米国中の州知事が外出自粛を求める方向へ舵を切る中、「サウスダコタ州のトップはスタンスを変えない」と紹介。同州に所在する豚肉加工工場で300人超の従業員が新型コロナウイルスに感染するなど、今では米国で最大級のクラスターとなっているが、同州ではいまだに外出禁止令は発せられていない。

 ノーム州知事は感染拡大対策が「群集心理」を表していると批判。「勤労、礼拝、活動する権利の行使、外出自粛さえも」決めるのは政府ではなく個人であると発言。さらには「サウスダコタ州はニューヨーク市ではない」と発言するなど外出禁止令の発令を頑なに拒んでいる。

 一方、サウスダコタ州の新型コロナ感染の中心地となっているスーフォールズ市のポール・テンハケン市長は「外出禁止令が今必要です。今日にでも必要です」と発令を訴えた。4月に入った頃には新型コロナウイルス感染者数はそこまで多くなかったが、豚肉加工工場でのクラスター発生によりその数は急増している。

 テンハケン市長はソーシャルディスタンスを実施するためにできる範囲のことを行っているとしているが、その権限はそこまで大きいものではなく、周囲の区域に対しては何もできない。そのため、「州政府によるもっと積極的な対応がなければ、感染の拡大が続くことを懸念している」と同市長が州へ積極的な対応を行うよう求める声を記事では紹介している。

 しかし、ノーム州知事は13日(同14日)には自身のスタンスを擁護。同州では自主的にソーシャルディスタンスを実施している割合が「外出禁止令を発令している州の一部よりもずっと高い」と語り、州全体としての感染者数は正しい方向に向かっているとした。

「安全は主に自己責任です。自由が与えられているのです」

 ノーム州知事の発言、スタンスに対しては「市民の安全を守ることが政府の仕事。それに失敗したみたいだね」、「常識のない人はいる」、「愚か」、「酷い」の様に批判的なコメントが多く集まるなど米国内で波紋を呼んでいる。

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