女王になった東宝シンデレラ 福本莉子が「転スラ」出演でドはまり「ただのファンに」
シリーズ累計発行部数3000万部突破のファンタジーが原作のアニメ「劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編」(公開中)。本作でヒロインの声を務めたのは、映画やドラマ、舞台などで活躍中の女優・福本莉子(22)。声優の難しさ、今後の抱負を語った。
学生時代からの親友との再会で感じる「絆」
シリーズ累計発行部数3000万部突破のファンタジーが原作のアニメ「劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編」(公開中)。本作でヒロインの声を務めたのは、映画やドラマ、舞台などで活躍中の女優・福本莉子(22)。声優の難しさ、今後の抱負を語った。(取材・文=平辻哲也)
東宝シンデレラが女王になった。本作は「転スラ」のテレビアニメ第1期、第2期の後を描いたもので、大鬼族ベニマルの兄貴分だったヒイロが主人公。そこに、リムルらおなじみのキャラクターが絡んでくる。福本の役は、かつては金の採掘で栄えていたものの、今は鉱毒におかされた「ラージャ小亜国」の女王トワ。代々伝わるティアラの魔力を使い、毒を取り除いて民を守っていたが、魔力の代償で命をむしばまれている。
「見た目はすごくかわいらしいのですが、心の強さがあります。ただ、若いので悩みもあって、リムルたちみんなと分け隔てなく仲良くしている姿を見ると、うらやましいなという部分もあります。私も悩んだときに人に頼るのではなく、自分で決めるタイプなんです」
今年、「君が落とした青空」、「20歳のソウル」、「今夜、世界からこの恋が消えても」と3本の映画の主演・ヒロインを務めた福本。これまでテレビアニメ「ひそねとまそたん」(18年)、自身が実写版のメインキャストを務めた劇場アニメ「思い、思われ、ふり、ふられ」(20年)などでの声優経験はあるが、ここまで本格的なものは初めて。アフレコはたった1人での収録。作画も音楽もまだ完成していない状態だったという。
「普段は表情、動き、声で表現できるんですけど、表情や動きは全部アニメーションがやってくれるので、気持ちを全部声に乗せていかないといけない。芝居自体は実際に体験できないので、自分で想像するしかないのですが、映像と違うなと思ったのはそのスケールの大きさ。今回は世界観がファンタジーでアクションシーンも多いので、普段のテンションだと合わない。一つ引き上げて、演じました」と話す。
普段はアニメをあまり見ていないそうだが、声優決定後に「転スラ」シリーズを全て見て、すっかりファンになった。
「めちゃくちゃ面白くて、すっかりただのファンになりました。アニメならではの戦闘シーンがあって、登場人物たちは超人的な力を持っている。そんなファンタジーの世界に入り込めたのはうれしかったです。自分が知った世界でリムルとお話できたのもうれしかった」と振り返る。
本作では絆がテーマ。絆を感じるときを聞くと、「中高一貫のときからの親友が5、6人いるんですけれど、大阪なので、なかなか会えないんです。最近は電話をするようになりましたが久しぶりに会っても、久しぶりな感じが全然しない。会うと、その頃に一気に戻るんです。それが絆なのかな、と。卒業して、そんなにはたっていないですけど、これからもこうやって続いていくんだろうな。大阪で舞台があれば見にきてくれますし、映画も見てくれますが、お仕事のことは根掘り葉掘りは聞かないので、すごく居心地がいいんです」と話す。
本作の公開初日には22歳の誕生日を迎えたばかり。今後はどんな女優を目指していくのか。「今年は映画の方が多かったので、来年はゴールデンのドラマとかもちろん出たいですし、ずっと朝ドラと大河ドラマのオーディションも受けているので、ご縁があれば、ぜひやりたいです」とますますの活躍を誓った。
□福本莉子(ふくもと・りこ)2000年11月25日、大阪府出身。16年第8回「東宝シンデレラ」オーディショングランプリと集英社賞(セブンティーン賞)を受賞。17年「&美少女 ~NEXT GIRL meets Tokyo~」(FOD)にてドラマデビュー。「のみとり侍」(18)で映画デビュー。ミュージカル「魔女の宅急便」(18)、「あらしのよるに」(19)でタイトルロールを演じた。主な出演作は、10月ク-ル連続ドラマ「消えた初恋」(21/EX)。映画「思い、思われ、ふり、ふられ」(20)など。映画「しあわせのマスカット」(21)では映画単独初主演。今年は「今夜、世界からこの恋が消えても」「君が落とした青空」などに出演。
スタイリスト/伏屋陽子、ヘアメイク/武久真理江