団員は芸人、グラビアアイドル…話題の音楽タレントが目指すリアル「のだめカンタービレ」

音大生にお笑い芸人、グラビアアイドル…。個性的なメンバーが集まるオーケストラがある。タレントの山口めろんが主宰する「めろんオーケストラ」だ。12月23日には神奈川・かなっくホールで初のコンサートを開催する。わちゃわちゃしたメンバーを率い、ステージでのパフォーマンスも常識にとらわれない。山口が目指すのはリアル「のだめカンタービレ」。設立の意図を聞いた。

山口めろん率いる「めろんオーケストラ」【写真:松竹芸能提供】
山口めろん率いる「めろんオーケストラ」【写真:松竹芸能提供】

オーケストラの常識を破壊 めろん版「のだめカンタービレ」

 音大生にお笑い芸人、グラビアアイドル…。個性的なメンバーが集まるオーケストラがある。タレントの山口めろんが主宰する「めろんオーケストラ」だ。12月23日には神奈川・かなっくホールで初のコンサートを開催する。わちゃわちゃしたメンバーを率い、ステージでのパフォーマンスも常識にとらわれない。山口が目指すのはリアル「のだめカンタービレ」。設立の意図を聞いた。(取材・文=水沼一夫)

 山口は日本大学芸術学部音楽学科ピアノコースを卒業し、2018年にフジテレビ系「芸能界特技王決定戦TEPPEN」ピアノ部門で優勝。最近では弾き語りで注目を集めている。

「めろんオーケストラ」を立ち上げたのは今年1月だ。オーケストラの常識を破壊し、楽器演奏歴や腕前を問わず、誰でも加入できる。オーディションも設けていない。「プラスチックのトロンボーンで参加している方もいます」というからユニークだ。

「本当に演奏レベルとかメンバーの技術とかを問わずに純粋に音楽を楽しみたいというメンバーを集めています。グラビアアイドルだったり、舞台女優の方だったり、芸人さんや研究者、テレビ局員、めろんの大学の後輩もいます。ジャンル問わず、いろんな人をあえてメンバーで募集していて、音楽に特化したというよりはエンターテインメント性を重視していて、音楽と一緒に何か新しいパフォーマンスができたらなと。やりたいという気持ちさえあれば誰でも受け入れるようなオーケストラにしたい。音楽が好きで、本当はやりたいけどやれる場所がないという人は多いので、そういう人たちをみんなめろんオーケストラで楽しく一緒に演奏できたらなと思っています」と山口は話した。

 オーケストラを立ち上げたい思いは漠然とあった。

「ピアノって音域がほかの楽器よりも広いので、1人で完結しちゃう楽器なんですよ。だから練習とかもずっと1人でやっていて孤独だったんですけれども、友達がオーケストラに参加している様子とか見ていると、自分のパートがあって他の音域が出ないパートを他のパートに弾いてもらってみたいな、みんなで協力しながら一つの曲を作っている。すごく楽しそうでいいなと思っていたので、いつかオーケストラはやりたいなって思っていたんですよ」

 ピアノは練習や本番も基本的に1人だ。オーケストラと共演する「協奏曲」という形もあるが、山口のやりたいことではなかった。

 また、いつか指揮者をやってみたいという願望もあった。高校時代、憧れたのは「のだめカンタービレ」の世界。俳優の上野樹里と玉木宏が競演し、クラシック音楽を題材にしたドラマ、映画だ。

 玉木ふんする千秋真一に影響を受けた。「ピアノを弾きながら指揮する“弾き振り”というのがあるんですけれども、千秋先輩がとあるシーンで指揮振りをやっていたんですよね。それで初めて指揮振りの存在を知りました。すごいなと思って、実際にやってみたいと思いました。オーケストラを立ち上げたのは、自分の夢をかなえたいなという気持ちもありました」

 実際に、ピアノや鍵盤ハーモニカを弾きながら指揮をしたり、ピアノの出番がないときに振ったりと、試行錯誤をしながら理想の形を目指している。

 音楽性のみを求めるなら、一流のオーケストラにはかなわない。それよりも、山口だからこそできる個性的な交響楽団が目標だ。音楽能力にとらわれない多彩な団員をまとめるのは、落ちこぼれ中心のメンバーを指導していく千秋先輩とどこか通じるものがある。

指揮台はなくピアノが中心だ【写真:松竹芸能提供】
指揮台はなくピアノが中心だ【写真:松竹芸能提供】

敷居の高いコンサート 「気軽に楽しめるコンサートにしたい」

 これまでの活動は、山口のYouTubeチャンネル用に2回、演奏を収録しただけ。観客を集める演奏会は、12月23日が初めてとなる。「ピアノだけでソロでコンサートとかはやらせてもらったことがあるんですけれども、オーケストラはないですね。横浜にある300席ぐらいのホールです」。都内のリハーサル室を借りて練習。11月2日に発売した2ndシングル「君にメロン」や1stシングル「めろんちゃんのテーマ」のほか、「Sing,Sing,Sing」のオーケストラバージョンやクリスマスソングも含めた複数の曲を演奏する予定だ。

 当日のプログラムはめろんオーケストラならではのものとなる。「それプラス、アンサンブルとか、芸人さんや女優さんがいるので何かパフォーマンスを交えた音楽的なものができたらいいなと思っています」。具体的な構想は練っている最中だ。

「ほかの正式なオーケストラとかとは違う、バラエティー豊かなメンバーでやっているからこそ何か表現できるステージができるといいなって思っています。コンサートは敷居が高いと思うんですけれども、なるべく敷居を下げて気軽に楽しめるコンサートにしたいですね」

 団員の条件はたった一つだけ。

「服装に黄緑のものをワンポイントで入れてもらっています。リボンだったりとかネクタイを黄緑にしてもらったりとか。それが条件ですね」と黄緑がトレードマークの山口は語った。

□山口めろん(やまぐち・めろん)11月4日、兵庫県豊岡市出身。3歳からピアノを始める。高校3年時にヤマハヤングピアノコンテスト金賞。日本大学芸術学部音楽学科ピアノコース卒業。趣味は弾き語り、ラジオを聴くこと、漫画や絵を描くこと、ゲーム。特技はピアノ逆再生弾き。2018年「芸能界特技王決定戦TEPPEN」ピアノ部門優勝。茨城県八千代町観光大使。12月16日にはピアノイベント「めろんカンタービレ2022」(東京・渋谷CLUB ROSSO)を行う。

◆YouTube「山口めろんちゃんねる」
https://www.youtube.com/channel/UCbjgleVuLMXqVCkb_xg_icA

◆ツイッター
https://twitter.com/memememelonchan

◆インスタグラム
https://www.instagram.com/memememelonchan/

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