あおりハンドルは「教習生よりも下」 現役の大型トラック運転手が厳しい言葉で訴えるワケ

「『大きな交差点』でも右左折時に逆振り(煽りハンドル)をしないと曲がれない人は『車を運転できるレベルには達していない』と言うことです」――。右左折の際に、一度逆側に膨らんでから曲がる、いわゆる「逆振り」「あおりハンドル」について指摘するツイッターが話題になっている。投稿主は、日頃から安全運転や交通マナーに関する発信を続けている現役の大型トラック運転手・ハナさん。厳しいフレーズを使って危険性を訴える真意について聞いた。

「逆振り」「あおりハンドル」を巡る投稿が反響を呼んでいる(写真はイメージ)【写真:写真AC】
「逆振り」「あおりハンドル」を巡る投稿が反響を呼んでいる(写真はイメージ)【写真:写真AC】

衝突の交通事故リスク 安全に曲がる運転のコツを伝授

「『大きな交差点』でも右左折時に逆振り(煽りハンドル)をしないと曲がれない人は『車を運転できるレベルには達していない』と言うことです」――。右左折の際に、一度逆側に膨らんでから曲がる、いわゆる「逆振り」「あおりハンドル」について指摘するツイッターが話題になっている。投稿主は、日頃から安全運転や交通マナーに関する発信を続けている現役の大型トラック運転手・ハナさん。厳しいフレーズを使って危険性を訴える真意について聞いた。

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「超真面目な話。

車を運転していて『大きな交差点』でも右左折時に逆振り(煽りハンドル)をしないと曲がれない人は『車を運転できるレベルには達していない』と言うことです。
教習生でも左寄せからそのまま左折できますから、少なくとも教習生よりも下と言うことです」

 11月中旬のハナさんの投稿は、1.1万件以上のリツイート、6.7万件以上のいいねを集めている。コメント欄では、体験談の報告や議論が起こっている。

 ハナさんはツイッターで、「安全かつスマートな運転を心掛ける大型トラックドライバー(男)」と自己紹介。トラック運転手歴は約20年で、以前は大型トレーラーにも乗っていた。ツイッターだけでなく、自身のブログでも交通マナー・運転方法に関する情報発信をしている。

 今回の投稿の意図とは。そこには、交通事故防止への強い思いがあるという。

「投稿内容に関しては本当に読んで字のごとくです。教習所を卒業して免許を取得するわけですが、教習所でそんなことをすると注意をされます。つまり、そんなことをしなくても普通に曲がれていたわけです。そもそもエス(S字)やクランクなどではなく、大きな交差点を左折する練習は教習所に通い始めて序盤ですることです。それが変なことをしないと曲がれなくなっているということは、教習所に通い始めた時よりレベルが落ちていると言うことになります。

 改めての注意喚起についての思いは、年々あおりハンドルをする車の数が増えているからです。こういう変な運転をする人に限って、目視(直視)確認、巻き込み確認などするわけもなく、安全確認もせずに平気で隣の車線に入ってきます。これは下手をすると自分が死ぬ、または人を殺すことになります。ただの迷惑ではなく『命に関係してくる』ということを理解する必要があります」

 実際にハナさんはブログを通して、丁寧に解説している。「逆振りをするシチュエーションは基本的には『狭い路地』に進入するときなどです。毎日の通勤路や自宅近くの路地など、逆振りしたくなくても、一度振ってから曲がる必要がある場合もありますから、逆振り自体が悪なわけではありません」と前置きをしたうえで、大きな交差点での右左折時や、軽自動車のドライバーによるあおりハンドルの現状を憂慮。隣の車線を走る車、または対向車に衝突するリスクについて訴えている。

 今回の取材でも、「大きな交差点では、全長12メートルの大型トラック・大型バスや、全長16メートルの大型トレーラーも振ることなく普通に曲がることができます。それなのに普通車などで振っているわけですから…。それに、教習所では普通車でできていたのに、軽自動車を乗っている人ができないわけがないんですよね…本当におかしな話です」と悩ましい実情について明かした。

 安全に曲がる運転のコツについては、「教習所で習った通りに曲がるだけです。できないこと・難しいことをしてほしいと言っているわけではありません。免許を持っているのですから確実に全員ができることです。できない人なんて絶対にいません。前述の通り教習所の序盤で習うことですから…。ただし、ぶつけた経験がありどうしても怖い人は内輪差が気になっているわけですから、ハンドルを切り始めるタイミングを少し遅らせるという方法はあります」とのことだ。

 2019年4月から啓発の目的でツイッターを開始。ブログも始めた。最近はブログを音声メディアに移行したという。

 ハナさんが大事にしているのは「継続」することだ。

 例えば、ウインカーに関する注意喚起ツイートはこれまで100回ほどに上るといい、「今後については継続するだけです。定期的に同じことを言っていくだけです。『またその話か』というようになるとは思いますが、1回や2回話した、バズっただけで平和になるなら、とっくの昔に解決してますから。たくさんのリツイートやいいねをいただいたからもういい、というものではなく、しつこく言い続けることに意味があると思っています」。正義感を持って、メッセージ発信を続けていくという。

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