メイク難民の女性たちへの指南書が大ヒット 顔の印象は眉が9割、大切なのは「笑顔」
「チークは頬のどこに付けたら良いの?」「アイシャドウを塗る場所は?」。コロナ禍で増えたメイク難民の女性たちから「目からうろこ」と話題になっている書籍がある。女性なら誰でも「あるある」と頷く困りごとを、分かりやすく解説する「メイクがなんとなく変なので友達の美容部員にコツを全部聞いてみた」を共著したBAパンダと、漫画家の吉川景都に本が生まれるまでのエピソードや、驚きの反響について聞いた。
10万部を突破した「メイクがなんとなく変なので友達の美容部員にコツを全部聞いてみた」
「チークは頬のどこに付けたら良いの?」「アイシャドウを塗る場所は?」。コロナ禍で増えたメイク難民の女性たちから「目からうろこ」と話題になっている書籍がある。女性なら誰でも「あるある」と頷く困りごとを、分かりやすく解説する「メイクがなんとなく変なので友達の美容部員にコツを全部聞いてみた」を共著したBAパンダと、漫画家の吉川景都に本が生まれるまでのエピソードや、驚きの反響について聞いた。(取材・文=西村綾乃)
書籍は、自分のメイクが迷宮入りしていることに気付いた吉川が、小学時代からの友人で、大手化粧品会社で10年以上美容部員を務めるBAパンダに「眉が変」と打ち明けるところから始まる。「眉」「アイメイク」「ベースメイク」など順を追ってBAパンダが解説。説明を受けて驚がくする様子を、吉川が漫画で表現した。メイクに悩む女性たちから支持され、累計販売数は10万部を突破した。
吉川「黙っていると、怒っているように見えることがあって。話し方なのかなと思っていたのですが、Zoomでやり取りをしていたときに、BAパンダさんに『眉毛を直してみたら?』と言われて。その内容を漫画にしてツイッターに上げたら、『知りたかったのはこれ!』『すごい変わった』など、大きな反響があったんです」
BAパンダ「吉川さんは、上がり眉。なのでマスクをしていると余計に怒っているように見えてしまうんです。なので『平行眉』の作り方を伝えました」
美容部員として1万人以上の顧客の悩みを解消してきたBAパンダ。並行眉が似合わない人はいないと言い、「顔の9割の印象を決めるのも眉」と力を込める。
吉川「最初は大学時代から、10年以上続けている自分のメイクが『変』だなんて思ってもいませんでした……。でもZoomで会話をしながら、メイクを教えてもらって」
BAパンダ「新人のころ、眉毛は『毛を表現するものだ』と学びました。毛が生えているところだけを見てはダメで、目とのバランスが大事なんです。眉毛にフォーカスして描くのではなく、アイメイクのひとつとして見ること。その上で、短くカジュアルにするか、エレガントな長いものにするか。角度も考えていくと、なりたい自分のイメージに合わせた眉になるんです」
眉は目立つ部分だからこそ、印象を左右する味方になる。眉問題をクリアした吉川は、アイメイク、ベースメイクへと続け、なりたい顔に向けて技術を磨いている。
吉川「メイクって、外出するときにしなくてはいけないもの……。という気持ちでした。でもBAパンダさんに教わって、チャレンジをすると明らかに変化していて。むかし撮った写真のメイクといまとでは全然違います」
何となくではなく、毛の生え方を観察して眉毛を描き、眼球と周辺の骨を意識して、アイシャドウを縦塗りグラデーションする。立体感があって、ムラがない整った肌へとレベルアップしていく吉川さんの様子を見ていて、気付いたことがある。
BAパンダ「私は美容部員なので、周囲の人と美容の話をするのが普通ですが、吉川さんにとってはそうではなかった。だから何でも報告してくれます。『色がかわいかったから、買ってみた』とか工夫して、メイクを楽しんでくれているのがうれしいですね。前よりも明るく生き生きしているなって感じます」
吉川「『メイクがなんとなく変の民』は周囲にもいましたが、メイクについて話すことはほとんどなかったんです。女性同士だと言いにくい部分もありますし。でもメイク道具一つでもそれに意味や理由があることを知って、もっと知りたい。楽しいと思えるようになりました。これから年末年始に向けて集まる機会も増えて来ると思うので、華やかなメイクを身に付けたいですね。これまでしていたラメにラメを重ねてしまうギラギラのメイクではなくて、大人らしいパーティーメイク! パーティーに行く予定はないけど……」
BAパンダ「パーティーメイクで迷ったときは身に付けるジュエリーから色を選ぶのはどうでしょうか。ネックレスやピアスがゴールドならゴールド系、プラチナならシルバー系のアイシャドウをベースに石の色をプラスします。例えばルビーなら赤やボルドーのアイライナーやマスカラ、ラメライナーをポイントを絞って使います。アイシャドウをたくさんの色を使いすぎると難易度が高くなったり、その日にしか使用しなかったりしますが、これなら普段にも使いやすいかと思います」
10万部を販売した書籍。届いた声の中で「親子で読んでいます」という声がうれしかったという。
BAパンダ「お母さまが、『いつか娘に教えたい』と手に取って下さったり、母娘で愛読していたり。あとは5歳のお嬢さまの将来のためにお父さまが買ったと聞いて、想定もしていないことに驚きもありました」
吉川「本を手にして下さった方と交流できるようなイベントも、コロナ禍が落ち着いたら、出来たら良いですよね。いまはBAパンダさん考案のファンデーション・ブラシを企画中なので、報告できる日を楽しみにしていてください」
メイクがキマっていない日は、マスクをして隠すこともあったコロナ禍。第8波が落ち着いて、マスクを外す日に向けて伝えたいことがある。
BAパンダ「マスクを取るというと、『まずはチークとリップ!』と思いがちですが、一番大事なのは笑顔です。今はマスクで表情筋が弱っているので、意識して口角を上げる努力をしてみてください。チークやリップに好きな色をつけることで、自然に口角が上がって、素敵な笑顔になれる。メイクには、そういう力があると思います」
□吉川景都(よしかわ・けいと)神奈川県生まれ。2003年、大学在学中に少女誌「LaLa」でデビュー。著書に「片桐くん家に猫がいる」「子育てビフォーアフター」など。
YKアワーズで「こまったやつら」を連載中。
□BAパンダ(ビーエー・パンダ)大手化粧品会社の現役美容部員。BA歴10年、現在2社目。これまで接客してきたお客さまはのべ1万人以上。お客さまの「なりたい自分」に合わせて商品や使い方を提案するように心がけている。吉川景都とは小学校時代の幼なじみで、30年来の友人。
■書籍「メイクがなんとなく変なので友達の美容部員にコツを全部聞いてみた」紹介ページ
https://www.amazon.co.jp/dp/447811241X