ジョシュ・バーネット、故・猪木氏から学んだこと「いつなんどき誰の挑戦でも受ける」

10月に心不全で亡くなったアントニオ猪木さんの追悼イベント「INOKI BOM-BA-YE×巌流島 in 両国(猪木祭り)」(12月28日、両国国技館)の第一弾対戦カードがついに発表となった。巌流島のコンセプトのひとつに「公平な異種格闘技戦の実現」が挙げられているが、「アントニオ猪木vs“熊殺し”ウィリー」に見た猪木イズムに通じるところがある。

「INOKI BOM-BA-YE×巌流島 in 両国」の第一弾対戦カードが発表【写真:國友公司】
「INOKI BOM-BA-YE×巌流島 in 両国」の第一弾対戦カードが発表【写真:國友公司】

ジョシュ・バーネット、メルヴィン・マヌーフ……往年のスター選手が出場

 10月に心不全で亡くなったアントニオ猪木さんの追悼イベント「INOKI BOM-BA-YE×巌流島 in 両国(猪木祭り)」(12月28日、両国国技館)の第一弾対戦カードがついに発表となった。巌流島のコンセプトのひとつに「公平な異種格闘技戦の実現」が挙げられているが、「アントニオ猪木vs“熊殺し”ウィリー」に見た猪木イズムに通じるところがある。

 大会プロデューサーの谷川貞治氏は対戦カードの発表を前に意気込みを語った。

「私も2001年にいまのRIZINの榊原信行社長と石井和義館長と一緒にINOKI BOM-BA-YEをやりました。そのときは猪木軍―K-1最強軍というテーマでやったのですが、20年たった今、新しい令和猪木軍というものを作って世界の強豪に立ち向かっていきたいというコンセプトを持っています。猪木さんというレジェンドの名前をお借りして、将来を見据えるような若い可能性のある選手たちを中心としたマッチメイクを組んでいこうと考えています」

 5試合のマッチメイクで目を引いたのは、アルバート・クラウス、メルヴィン・マヌーフ、ジョシュ・バーネットの3人だ。

 アルバート・クラウスは2002年、準決勝で魔裟斗に勝利しK-1 WORLD MAX歴代王者に輝いた。その後もブアカーオや佐藤嘉洋にも勝利するなど、長く活躍した選手だ。クラウスはすでに現役を引退しているが、日々のトレーニングは続けており調子もいいという。「とにかく練習がしたい」という思いから、記者会見での来日はしなかった。対戦相手はRIZINで活躍する宇佐美正パトリックの弟・宇佐美秀メイソン。10年に1人の逸材と評され、大会プロデューサーの谷川貞治氏も「宇佐美兄弟は数年後に日本の格闘技の天下を取る」と明言した。キックボクシングルール(3分×3R)で行われる予定だ。

 メルヴィン・マヌーフは旧K-1で活躍したのち、MMAに転向した選手だ。キックボクシングルールではルスラン・カラエフやレミー・ボンヤスキーにも勝利。MMAルールでは桜庭和志に1RTKO勝利をあげている。対戦相手は柔術からMMAに転向して2戦目のイゴール・タナベ。マヌーフの印象について聞かれると「打撃がすごく強い。ただ寝技が弱点であるし、そこは自分が自信を持っている部分。マヌーフを極める自信はある」と堂々と語った。

 ジョシュ・バーネットは元UFCヘビー級王者にして、総合格闘技ルールではセーム・シュルト、マーク・ハント、セルゲイ・ハリトーノフといった強豪からいずれも一本勝ちをおさめている。PRIDEにも出場し、PRIDE無差別級グランプリでは決勝でミルコ・クロコップと対戦し準優勝に輝いた。バーネットはビデオメッセージで故・猪木氏への思いをこう話した。

「私は幸運にも猪木さんに師事し、彼の魂を受け継ぎました。私が猪木さんから学んだのは、格闘技の世界においてプロレスラーとはどうあるべきかということ。そして、いつなんどき誰の挑戦でも受けるということ。プロレスラーはどんな境遇でも逃げずに立ち向かうものです。猪木さんは自分とは異なるジャンルの格闘家たちと闘い続けました。私がその魂を継承し、現代において実践してみせます」

 対戦相手はRIZINにも多く出場するシビサイ頌真。ほか2試合にはこちらもRIZINで活躍する関根“シュレック”秀樹が出場し、マーカス・レロ・アウレリオVSガロア・ボファンドの試合は「カポエイラVSムゲンドー」という異種格闘技感あふれるカードだ。猪木氏の追悼イベントということもあり、過去を振り返ってももっとも力の入ったラインアップではないだろうか。残り4試合のマッチメイクにも期待大だ。

○25日発表の第1弾対戦カードは以下の通り。
・イゴール・タナベ-メルヴィン・マヌーフ(RIZIN MMAルール5分3回 92キロ契約)
・ジョシュ・バーネット-シビサイ頌真(巌流島特別ルール5分3回 無差別級)
・関根“シュレック”秀樹-ヤン・ソウクップ(巌流島特別ルール5分3回 無差別級)
・宇佐美秀メイソン-アルバート・クラウス(キックボクシング3分3回 72・5キロ契約)
・マーカス・レロ・アウレリオ-ガロア・ボファンド(巌流島特別ルール5分3回 77キロ契約)

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