伊藤かずえ、ガソリン車は「肩身が狭くなる」 日本の自動車文化に思うこと 「究極のエコ」とは?

女優の伊藤かずえ(55)が32年間乗り続ける愛車の日産シーマが、レストアを機に注目度を高め続けている。今年11月でレストア完了から1年を迎え、ほぼ新車に生まれ変わった名車を思う存分に満喫している。その一方で、代車のコンパクトSUV「日産キックス e-POWER」で人生初のSUVを体験し、セカンドカーとして「日産ノート e-POWER」にも乗っている。e-POWERはエンジンで発電してモーターで走る技術だ。自動車の技術革新が進む中での、ガソリン車に乗るカーライフや自動車文化への思いとは。

伊藤かずえが32年間乗り続ける日産シーマが注目度を高めている
伊藤かずえが32年間乗り続ける日産シーマが注目度を高めている

「安全を考えれば、結果的に安い買い物」 日産キックス&日産ノートに乗って新発見

 女優の伊藤かずえ(55)が32年間乗り続ける愛車の日産シーマが、レストアを機に注目度を高め続けている。今年11月でレストア完了から1年を迎え、ほぼ新車に生まれ変わった名車を思う存分に満喫している。その一方で、代車のコンパクトSUV「日産キックス e-POWER」で人生初のSUVを体験し、セカンドカーとして「日産ノート e-POWER」にも乗っている。e-POWERはエンジンで発電してモーターで走る技術だ。自動車の技術革新が進む中での、ガソリン車に乗るカーライフや自動車文化への思いとは。(取材・文=吉原知也)

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 まずシーマはハイオクでリッター4キロなので、キックスもノートも、こんなにガソリンを入れなくていいんだと燃費のよさに驚きました(笑)。

 30年以上ガソリン車のセダンに乗っていて、SUVに乗る経験は初めてでした。キックスは約半年間乗らせてもらいました。視線が高くなるので、視界が広くなってすごく運転しやすかったです。余裕を持ってある程度の人数が乗れますし、荷物もたくさん積めて。馬力もあるので、四駆だったりすると山道も、ちょっと雪が降っても安心して走れると思います。これまで黒・シルバー・白ばかりだったので、オレンジ色の車も初めてでした。内装もオレンジが入っていて、ビタミンカラーなので、見ているだけで元気になりました。実はこのまま欲しい気持ちはあったのですが、代車専用とのことだったので、そこはちょっと残念でした(笑)。

 ノートは2021年10月に新車で買いました。妹が日産ティーダに乗っていて買い替えのタイミングが来たので、ノートにしました。横幅がちょっと大きくて、運転している感覚、ゆったりしている雰囲気がシーマと変わらないんです。あと、ノートはいまだにどこにもぶつけていません(笑)。センサーやカメラ、バックモニターによって安心安全に乗ることができています。ドライブレコーダーも付いていて。キックスにも付いていましたが、シーマはなくて。ノートにいろいろ装備を付けたら、予算を超えちゃいました。でも、安全を考えれば、結果的に安い買い物だと思っています。

<そんな中で、電気自動車(EV)の普及が進む一方で、新規登録から13年を超えると自動車税が高くなるガソリン車の今後が議論されている。自動運転など安全技術の進化も進んでいる>

 これからの自動車文化についてですか? まず、今はもう自動運転の時代まできたわけですよね。車というものが、お年寄りにとって操作が簡単で優しいものになっていってほしいなと思っています。アクセルとブレーキの踏み間違えなどのリスクを減らして、交通事故がなるべく起きないようになってほしいと思っています。

 ガソリン車については、ますます肩身が狭くなるような感じはしています。でも、シーマについてはレストアしたことがニュースになって、おかげさまでスーパーやコンビニの駐車場で、今になっても「写真を撮らせてください」と声をかけていただくことがあります。それに昨年12月にレストアの完成お披露目会をした後に、東京・銀座のNISSAN CROSSINGで一般公開の展示をさせてもらったのですが、博多など遠方から来てくださった方や4回行きましたと言ってくださる方もいて。シーマのYouTubeチャンネルの撮影の様子を見に来てくださる方もいるとお聞きしました。本当にうれしいです。シーマファンの皆さんのためにも、安全運転で無傷でこれからも乗り続けなきゃなという思いがあります。

 私のSNSについて、車好きの方々がフォローしてくださることもあります。その中で、「ちょっと車を買い替えようと思っていたけど、見習って、もうちょっと乗ります」といったコメントをいただくこともあります。いいぞいいぞ、と思っているんです。大事に乗り続けることは、それこそ究極のエコだと考えています。車が廃車になってゴミになってしまうと、もちろん再利用される部分はあると思うのですが、結果的に地球環境を汚すことにつながるのかなと思っています。

 シーマは家族の一員であり、なくてはならない存在です。実際の生活上でも生活必需品であり、ほぼ毎日稼働させているぐらい重要です。これからも車とともに生活するつもりです。

 それに、娘(20歳の長女)が生まれる前から乗っているのですが、出産後に病院から退院して初めて乗った車もシーマですし、娘は運転免許を18歳で取ったのですが、娘が初めて運転した車もシーマなんです。そういった経験は、長く乗り続けないとなかなかできないことだと思うので、本当にたくさんの思い出も乗せて走っているんです。

○…伊藤の愛車は1990年式の初代シーマで、V6ターボエンジンを搭載する最上級グレードの「タイプⅡ FPY31型 リミテッド」。88年に発売開始となったシーマは「シーマ現象」と呼ばれ、バブル景気を象徴するほどの人気を誇ったが、2022年夏で生産終了となった。

□伊藤かずえ 1966年12月7日、神奈川県生まれ。78年デビュー。愛車シーマの情報などをSNSで積極配信しており、YouTubeチャンネル「やっちゃえ伊藤かずえ」(https://www.youtube.com/channel/UCcCq4yqL3SlLkLry7AdOBEQ)も人気。株式会社トミーテックから愛車を再現したミニカー「日産 セドリックシーマ タイプII リミテッド 伊藤かずえ仕様(白)」が発売予定。

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