カワセミの釣り糸被害、「人災」と批判殺到 釣り具の放置が深刻化…大手メーカーの見解とは
新型コロナウイルス禍で釣りブーム到来と言われる中で、釣り人によるマナー違反が度々話題に上がっている。中でも、捨てられた釣り具によって野生動物が傷つけられてしまう被害は深刻だ。SNS上では最近、切れて放置された釣り糸(ライン)に引っかかったカワセミの写真とともに、釣り人に対して責任を持って回収するよう強く促す内容のツイートが反響を呼んだ。海や川、湖沼で釣り具を放置したり、ごみを捨て去るような問題行動は、業界のイメージ悪化、何より環境破壊につながる。マナー向上や被害防止について、メーカー側に見解を聞いた。
業界イメージ悪化や環境破壊の懸念 強硬論も…「回収を最優先できないのであれば禁止しかない」
新型コロナウイルス禍で釣りブーム到来と言われる中で、釣り人によるマナー違反が度々話題に上がっている。中でも、捨てられた釣り具によって野生動物が傷つけられてしまう被害は深刻だ。SNS上では最近、切れて放置された釣り糸(ライン)に引っかかったカワセミの写真とともに、釣り人に対して責任を持って回収するよう強く促す内容のツイートが反響を呼んだ。海や川、湖沼で釣り具を放置したり、ごみを捨て去るような問題行動は、業界のイメージ悪化、何より環境破壊につながる。マナー向上や被害防止について、メーカー側に見解を聞いた。
「責任持って回収しろよ! それが出来ないなら 釣りするんじゃない!」。今月中旬に投稿されたカワセミの被害を訴えるツイートが拡散された。一連の投稿内容によると、カワセミは釣り糸に絡まっていた川エビをとった時に被害にあったようで、投稿者が釣り糸を外して無事だったことが報告されている。
ネット上では「これは酷過ぎますね!!許せないです」「人災ですよね!」「野生動物はなんも悪くない」「回収を最優先できないのであれば禁止しかないです」といった批判の意見が寄せられている。
また、今回は釣り糸が切れる「ラインブレイク」が議論のテーマの1つに上がっており、「普通釣り人はゴミや糸は持って帰るんですが、投げてラインブレイクした場合、まず取りに行くにも水深が深過ぎたりまずそもそもラインブレイクした糸がどこにあるかも分からないし」「俺はこうなる事が嫌で釣りやめた。切れて回収不能になったラインに責任持てん」などと、釣り経験者から対応の難しさに苦慮する声も上がっている。
釣り自体の禁止を訴える厳しい声が出てきている中で、釣り人1人1人の意識向上、釣り具やごみの持ち帰りの徹底が求められる。安心・安全な釣りを楽しむことを続けるためには、どんなことが必要なのか。国内の大手メーカー担当者が取材に応じた。
まず、今回の事例のように、ラインブレイクして放置されたり、捨てられた糸や釣り具による野生動物の被害についてどう受け止めているのか。「糸の放置はもちろん、あらゆるごみの放置について業界団体含め、各メーカーの望まないところであります。業界団体が主催する水辺環境保全清掃活動などを通じて、微力ながら環境改善に取り組んでいる状況です」との回答を寄せた。
そのうえで、担当者は「釣り場をきれいに保つため、あらゆるごみの放置を行わないよう継続してメーカーおよび業界団体より、ユーザー様へ発信していくことが必要だと感じております」と、対応策について言及した。
こうした悪質なマナーや問題行動が増えてしまうと、釣り人の肩身が狭くなる一方だ。啓発メッセージについて、「あらゆるごみの放置・廃棄は、自然環境の破壊や現場・地域の環境悪化につながり、釣り場縮小など釣り人にとってもマイナス影響しかございません。釣り場の保全という点も意識しながら釣りを楽しむよう、皆で取り組みができればと感じます」としている。