映画監督の大林宣彦さんが死去 平和への思い込めた最新作の当初の公開予定日に逝く

「転校生」、「時をかける少女」などで知られる映画監督の大林宣彦(おおばやし・のぶひこ)さんが10日午後7時23分、肺がんのため東京都内の自宅で死去した。82歳だった。葬儀・告別式は、家族葬(密葬)を執り行い、後日、お別れの会を予定。喪主は、妻で映画プロデューサーの大林恭子氏が務める。

大林宣彦さん
大林宣彦さん

肺がんのため82歳 “尾道三部作”で知られ、CMにも外国スターを積極起用の功績

 「転校生」、「時をかける少女」などで知られる映画監督の大林宣彦(おおばやし・のぶひこ)さんが10日午後7時23分、肺がんのため東京都内の自宅で死去した。82歳だった。葬儀・告別式は、家族葬(密葬)を執り行い、後日、お別れの会を予定。喪主は、妻で映画プロデューサーの大林恭子氏が務める。

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 1938年、広島県尾道市に生まれた大林さんは、3歳の時に自宅の納戸で見付けた活動写真機と遊ぶうちに映画を作り始めた。テレビCM草創期には、チャールズ・ブロンソンの「マンダム」をはじめ、カトリーヌ・ドヌーヴなど多くの外国人スターを起用し、CM作品数は3000本を超える。77年に「HOUSE/ハウス」で商業映画に進出。自身の古里・尾道を舞台にした「転校生」、「時をかける少女」、「さびしんぼう」は“尾道三部作”と称され、世代を超え親しまれている。

 近年には“大林的戦争三部作”となる「この空の花-長岡花火物語」、「野のなななのか」、「花筐/HANAGATAMI」を発表。個人では、2004年に紫綬褒章受章、09年に旭日小綬章受章。19年に文化功労者に選ばれた。

 肺がんと診断され、余命の宣告を受けたのは、16年8月。転移を繰り返すがんと闘いながら、平和をたぐり寄せる最新作「海辺の映画館-キネマの玉手箱」を完成させていた。本作は4月10日に公開を予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって公開延期となっており、近日公開を予定している。

次のページへ (2/2) 【画像】「海辺の映画館-キネマの玉手箱」のポスタービジュアル
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