尚玄「実際に拳が当たった」顔面あざだらけ…監督が求めたボクシングの“リアルな恐怖”
俳優の尚玄(41)のインタビュー第2弾。主演する日本・フィリピン合作映画「義足のボクサー(仮題)」がこのほどクランクアップ。尚玄はフィリピンで活躍した実在の義足のボクサーを演じている。今回は、10キロの減量、ボクシングのトレーニングなど徹底した役作りについて聞いた。
インタビュー後編、日本・フィリピン合作映画「義足のボクサー」がクランクアップ
俳優の尚玄(41)のインタビュー第2弾。主演する日本・フィリピン合作映画「義足のボクサー(仮題)」がこのほどクランクアップ。尚玄はフィリピンで活躍した実在の義足のボクサーを演じている。今回は、10キロの減量、ボクシングのトレーニングなど徹底した役作りについて聞いた。
――義足のシーンはどう映像化しているんですか?
「CGの部分もあるんですけど、実際の義足の技師さんに外側だけの足を作ってもらった物を装着しています。直純くんも試合のときはカバーして闘っていたので、義足の部分は見えないんです。大変だったのは義足の足首が90度で固定されていて動かないこと。僕は右利きでオーソドックスの構えなので、右足が踏み込む足になりますので、そこはすごく大変だった。足首を柔軟に動かせないですからね。沖縄ロケのときは土山くんもダブル(代役)で来てくれて、実際に彼の足も撮影させてもらっています」
――体重も絞りましたか。
「10キロぐらいですかね。土山くんは僕の身長(181センチ)と同じぐらいなんですけど、『試合のときは63キロまで落としていた』って言っていたので、普段72、73キロぐらいの体重を63キロまで落としたんです」
――でも、足がない方の63キロとは少し違うと思うのですが。
「それは後から言われました(笑)。だから、そこまでは落とす必要はなかったんですけど、一応63キロを目標にして少しずつ落としていきました。彼に『減量の厳しさはあったか』って聞いたんですよ。普段から節制して落としていたらしいので、減量は苦しくなかった、と」
――自分を律していたんですね。10キロ減量と軽く言いますが、それって、相当なものですよね。
「でも、ボクシングを続けていれば、体付きは自然と変わってきます。台本があれば、自分の中でいろいろイメージができますけど、台本がなかったので、不安になったらとにかくボクシングにぶつけようと思ったんです。答えはそこにしかないだろうと思って。ストイックなボクサーたちと過ごして、彼らの生活を感じて、試合を見に行ったり、楽屋裏を見せてもらったりとか、そういうディテールを重ねていくしかないなと」
――撮影で大変だったことは何ですか。
「一番大変だったのは、試合のシーン。クランクイン前に『ちゃんとアクション監督がいるんだよね?』と確認すると、監督は『大丈夫、大丈夫』と。さすがに用意してくれてるんだろうなと思っていたら、そうじゃなかった。僕の相手役はボクサーとか、総合格闘技の選手で、彼らと実際にスパーをするだけでした(笑)。もちろん100%の力じゃないですけど」
――(パンチを当てているように見せる)当て振りではない?
「完全に違います(笑)。彼らにも、『僕はトレーニングしている俳優』と伝えてはいるものの、熱くなっていくと、距離感も分からなくなって、実際に拳が当たってくるので、痛かったです。撮影翌日には鼻や眼の周りにも、あざがありました。帰ってから、『血のりかな』と思って、あごをこすったら痛かった(笑)。そしたら、あざだったんです」